2つのレコ発ライブ

 先月は17日・20日と立て続けに2つのレコ発ライブがありました。17日の方は私の大学の先輩でもあるヒーリングピアニスト,望月衛介さんのデビュー20周年記念ライブ。一夜限りのメンバーは望月さんに梶原順 (gt.) さん,則竹裕之 (drs.) さんというスーパープレイヤーズであり曲数もインスピリッツのライブを超える22曲という多さ。望月さんの曲はアレンジが緻密でタイム感も音選びも一瞬の気も抜けないシビアさですが,これを当日リハのみのセッションで「ライブな演奏」にしてしまう気持ちよさは今まで味わった事のない快感でした。スクエアの ファンだったという望月さんが「則竹さんと一緒に演奏したかったんです!」と言ってセットリストに取り入れた唯一のカヴァー曲「TAKARAJIMA」, 実は私も演奏しながら心で嬉し泣きしてました(笑)
 南青山MANDALAには観客・パーティ客としてはたびたび足を運んでいますが,演奏者として訪れたのは2000年のakiさんのライブ以来実に10年ぶりでした。この日の設営では現在Sleek Eliteさんからお借りしているTecampのキャビネット,M212を初めて使用してみました。

TecampM212をSWR Headliteで駆動。
下のGKのキャビはお店の機材。かさ上げ用で稼働はしていません

 

 そして20日の方は上野山英里ピアノトリオの1stアルバム「The first Cry」のレコ発。こちらの方はセッションではなくもう3年くらいやっているバンドなのですが,何と言っても初めて作品が形になったという事もあり,超大物ゲスト参加に加え(バンドとしては)初出演となるJZ Bratを会場に選ぶなど,本当にスペシャルな一夜になりました。
 JZはピアノや機材が新しくなったせいか,私にとって最近特に演奏のし心地が良い会場の一つですが,この日のライブほど静謐で澄んだ音空間を味わった事 はなかったように思います。私たちもこの日のためにしばらくライブを見送っていたので本当に1音1音命を削っていたと思いますが,お客さんの集中力も恐ろしいものがありあの規模のライブレストランで食器の音などが殆ど聞こえてこないのはある意味恐怖さえ覚えるような緊張感でした(笑)。ライブ終盤には肝心な小芝居を素で忘れるなど私の天然っぷりも発揮され多少は場も和んでくれたかと思いますが(←自己正当化),ともかくレコ発に相応しい非常に充実したライブだった事は間違いないと思います。これも偏にバンマス上野山女史の信念と行動力の賜物に他なりません。いつかこのJZで,このバンドのライブ録音が出来たらどんなに素晴らしいだろうと思いました。

 

この日はSWR Headlite + BergantinoAE210。
今度JZに出る時にはEBS112+Tecamp212を試してみたいです。

 

 それぞれのライブで発売されたCDの購入情報は「Works」のページに掲載しました。どちらもミュージシャンがこだわり抜いて作り上げた魂の結晶です。是非お買い求めの上じっくりと聴いてみて頂ければと思います。