珍しく気が引き締まる新年

 現在ラテンシンガーMASAYOさんの九州ツアーの真っ最中で,今回は福岡から八女に移動している車中でこれを書いています。例えば作編曲や音源制作のような仕事は大きめの鍵盤がないと難しいので,ツアー中に内職しようとしてもスタジオでも借りない事にはなかなか進められないのですが,最近では「旅先でネット回線がない」という事はほぼないので,こういったウェブサイトやブログの更新をするには地方ツアーはいい機会となります。

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 昨年末のAmaKhaミニ(プチだったっけ)ツアー,大船・銀座に引き続き水戸・小山でもたくさんのお客さんに来ていただく事ができ,CDもたくさん買っていただきました。本当に嬉しい限りです。
 AmaKhaに関しては昨年の意向としては「ライブを2ヶ月に1度くらいにして数より質で勝負しよう」的な方針だったのですが,お店サイドから多くオファーを頂いた事もあり,本数としては12本,結果的に月1本ペースでこなしたのと同じ事になりました。そして昨年一年を通して感じたのは「やはりライブはやればやるほど音楽的にも進化する」という実感でした。2013年より幾分本数が少なかった事を考えると逆説的な実感でもあるのですが,去年一年はそれほどセットリストなども変えなかった分,内容の深化が著しかったのではないかと思います。確か2010年前後のオバタラ・セグンドはほぼ2年間くらいセットリストを変えずに多くのライブをこなしていたと思うのですが,その間お客さんは飽きるどころかどんどん増えていって私たちの音楽的な充実感も回を追うごとに増していった事が思い出されます。
 今年は私の忙しさが幾分緩和される予定ですので新しい題材を吹き込みたいとは思っていますが,同時にこの月1ペースも落とさずにライブをやれたらいいなと思っています。そして2016年最初のライブは上掲の通り,2/20関内パラダイスカフェでのライブです! 単に「サポート」と言ってしまうにはあまりにも凄絶すぎる西直樹 (pn.) さん・岩瀬立飛 (drs.) さんの最強コンビと共にお送りするAmaKhaライブ,今年もたくさんの方々に見に来ていただきたいです!

 さて,そのAmaKhaの新アルバム「Glorious Thing」ですが,ようやくAmazonで販売する手はずが整いました。発売日は1/15ですが,今からでもご予約可能ですのでぜひ下記バナーから商品ページへ飛んでみてください!

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 そしてもう一つ大きめのお知らせです。
 SNS関連ではすでにお伝え済みですが,今年から私のインストプロジェクト「箭島裕治Boot Funk!」を復活させます。その第一弾ライブがすでに決まっており,概要はこちらの通りです。↓

 

 「Vol.21」と銘打っていますが,「Boot Funk」という名前でやっているのは多分直近3〜4回分で,元々は2004年頃に「やぢまProject」みたいなヒネリのない看板で始めたのが私のリーダーセッションの端緒だったと思います。当時私は「宴(うたげ)」というピアノトリオをメインでやっていたのですが,漠とした音楽観の「宴」ではあまりやらないような,私の大好きなストレートな16ビートをたくさんやりたいなと思ったのがきっかけでした。でもやりたいことを全部やろうとするには単発のセッションとしては難曲揃いすぎたらしく,Vol.10くらいの時にサックスの宮地傑さんに「これじゃまるで『やぢまブートキャンプ』だね(笑)」と言われてしまい,それを「あ,面白いな」と思ってその次くらいから本当に「やぢまゆうぢBoot Camp!」という名前に変えてしまったんです。で,どうせなら名前に音楽観が少し出ている方がいいなあと思い,名前を漢字表記に統一したついでに「箭島裕治Boot Funk!」にした,というのがここまでの経緯です。2004年に第1弾を始めた頃は「まぁ半年に1度くらいできればいいかな,そしたら80歳になる頃にはVol.100になるかな(笑)」と思っていたのですが,実際にはここまで12年で20回ペースですからVol.100に到達するには90歳くらいまで生きなければならなさそうです。「宴」なんてバンド発足から数年で第100回ライブに到達したんですけどね。ま,数が多ければいいってものではないでしょうが,今は1回ごとにお願いしているメンバーも,いずれは固定化してバンド化していくのかもしれませんし,もしそのようになったらやはりコンスタンスにライブをやれた方がより充実した音楽をお届けできるような気がします。
 今回5年ぶりに再開するにあたってお願いしたメンバーはBoot Funkの要と私が位置付けている堤智恵子女史 (sax.) を中心に,ここ数年で私が最も「ファンキー」だと思っている加納樹麻 (drs.) 君と黒瀬香菜 (key.) さん,そして多分第1回のリーダーセッションの時にも共演してくれた山田豪君 (gt.) の4人です。このプロジェクトをやっていなかった5年の間にも様々なライブで様々なミュージシャンと共演させてもらえた中で,再開した時のサウンドを最も鮮明に想起させてくれた4人を満を持して呼ぶことができました。きっととてつもなくグルーヴィーなライブになるものと確信しています。