「バンド」と標榜するだけではなく

 …え,何……もう…松…取れんの……

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 12月,すげー暇な予定だったので色々溜まっていたことを「あれもできるこれもできる」と思っていたのだが,気がついたらeBASS塾関連以外はほぼ何もできないまま年末になり年始になり正月が終わってました。まぁその教材制作も結構な手間暇がかかるっていうのと,先月またもや広島の実家で体調崩した(今度は救急車沙汰とかではなかったけど)ってのがちょっと痛かった,と。

 そんな中でも先月5件くらいはライブがあって,お久しぶりな人達とのライブが偶然多く色々楽しかったのだけれど,やはりメンバーが揃ったのが奇跡とも言えた17日のAkaneko Latin Project (ALP) は本当に特別なライブでした。何がどう奇跡なのかはご存知の方も多いと思うのでここで詳らかにはしませんが,彼らが演奏したくてもできなかった時の煩悶やこの日やっと4人で集まって演奏できた事への歓喜の重みを,彼らには悪いけれども演奏中私は一旦全て忘れ,ただバンマスの書いた曲や彼らの話す音楽を聴いたままに受け入れ,触発されて口をついた音楽を話すことだけに集中しました。
 思えばこのメンバーで初めて演奏したのはこのライブよりちょうど1年前となる2018年12月だったんです。この時は野口女史のマンスリーセッションでたまたま集まったメンバーだったのですが,ひとライブ終えてみて「これはヤバイ,バンドにしないともったいない」と思い立ち,リーダーにボソッと控えめにその旨を進言してみたところ,他メンバーも賛同してくれて翌2019年4月のライブがバンドとしての最初のライブになった,と。原則としてトラ(代打)を立てない,パーマネントなバンドを運営するのってブッキングの面などでホント大変なんですが,リーダーの志が高ければ回を重ねるごとにサウンドやグルーヴが成長し,そのバンドにしか出せない演奏に昇華できるという大きな見返りがあると思うんです。
 文字通り,笑いあり涙ありだったこの日のライブを見てくださった方は誰もが感動したことと思いますが,私はメンバーのうちの2人が戦っている逆境もさることながら,一つの新たなバンドを率いて行こうと決意してくれた野口女史の覚悟とリーダーシップがなければあの感動にはならなかっただろうと思っています。そして,たった1年で聴き手を感動させるバンドサウンドに昇華させてきた若い3人のミュージシャンの志の高さには,ただただ驚嘆するしかありません。

 …ま,「若い」って言ってもかせっちとはそんな歳変わんねんだけど。

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 さて,今月は私もリーダーバンドのライブがあります。日程は1/30(木),会場はこのバンドでは初めて出演する六本木キーストンクラブ東京です。

 私にとって昨年における一番大きかった出来事はやはりBOOT FUNK!のライブアルバムをリリースできたことです。タイトル曲「Listen? or Dance?」を収録したのは今からちょうど1年前の2019年1月でしたが,それよりさらに1年遡った時点では,まだ佐久間女史の仮入部(?)が決定したばかりでありアルバムのことなど頭によぎってもいなかったはずです。この辺の話は「Works」のページにも書きましたが,以降こんにちに至るまでにバンドの周辺に起こった様々な良い巡り合わせが作らせてくれたアルバムです。
 先日,とあるジャズ好きの方が去年入手された様々(本当にメチャたくさんあったのでビビった)なアルバムの中で,「インストではこれがトップ」といってSNSで紹介してくださったのが「Listen? or Dance?」でした。「厳密に言えばジャズではないかも知れないが、このノリ、このグルーヴ感」。ジャズ好きの方にそこを判ってもらえるというのは嬉しい限りで,その辺り自分でも快作に仕上がったと自負しております(自分自身の力は作品全体の1/5ですが 笑)。この方は11月のライブにも来てくださったのですが,そのきっかけは佐久間女史の出演したライブでこのアルバムを買って聴いてくださったことだったそうです。ライブを主戦場とするバンドのバンマスとして,1stアルバムがライブアルバムとなったことは幸せな事だったのだなぁと今になって思います。

 2020年最初のライブ,ALPに負けないような感動を巻き起こせる演奏にしたいと思っています(涙要素はあんまないと思いますが 笑)。メンバーの力量と志の高さに不足があろうはずはないので,あとはバンマスの覚悟とリーダーシップ次第って事になりますね。自分で自分の首を絞めたところで,本年もよろしくお願いいたします。