日別アーカイブ: 2006年7月14日

良い楽器店の見分け方

 ●「Live Info.」に2件追加。

 何が原因であれ,ジダンの頭突きは単純に痛そうだと思う。

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 生徒とかによく訊かれるのが「良い楽器屋さんってどこですか」というやつなんだけれど,実は私もその辺あまり良く知らないんですよ。細かいものを買うのはあちこちの楽器屋さんに行くけど,楽器自体を買うのは大体いつも同じ店なので相対評価ができないんです。でも,でもね,「悪い楽器屋さん」ならいくつか知ってるよ。エヘヘ。

 ヤマハ音楽教室でベースを教えていると,入会して来るのは半数以上が初心者なんです。さらにその半数は「まだ楽器も持ってない」という人。で,レッスンを始めてもらうときには当然楽器を買ってもらうんだけど,その中でたまにとんでもない楽器を持って来る人がいるんですよ。「とんでもない」と言ってもそれはその生徒が悪いわけではなく,楽器のメーカーが悪いわけでもない。ネックの順反りがひどすぎて握力が超強くないとまともな音が鳴らなかったり,逆に物凄い逆反りでフレットと弦が接してしまい,音が全く出なかったり。そんな状態で何も知らない初心者の若者に未調整の楽器を売りつけてしまう楽器屋が悪いんです。

 自分が買った楽器がたとえ満足に音が出ない状態でも,初心者の彼(彼女)らはそれが楽器屋のせいだとは気づかずにニコニコしながらピカピカの自分の楽器をケースから出すわけですよ。で,それを音が出るように調整してあげながら,「ところでさ,この楽器どこで買ったの」って訊いたら「渋谷の***っていうお店です」って。***って言ったらプロユースのハンドメイド楽器も大量に扱うような大層なお店ですよ。オレなんてこの前店員にタメ口利かれたし。まぁそれはともかく何が問題かっていうと,何十万もするような楽器をずらりと並べて「この木材は」「このプリアンプが」などとゴタク並べてる一方で,初心者の中高生が何も知らないのをいい事に「これがオススメ」とか言ってネックの曲がった量産機を試奏もさせずに売りつけて知らん顔してるってことですよ。量産機だからってネックが反ったら反らせっぱなしですか。音が鳴らなくたって売っちまえば終了ですか。せめて売る間際くらい調整したらどうですか。もうこれはネックが云々という話ではなく商売人としての性根が腐っているという事なのだと思うが如何か。

 …だから若きプレイヤー諸君,「良い楽器屋」を見分ける術というのは「入門者向けの廉価製品が高級機と同じようにきちんと調整されているかどうか」を見極める事だと思う。入荷したまま吊るしっぱなしでネックが曲がっていないか,弦も張りっぱなしで古くなっていないか。確かに安い楽器はネックも弱いけれど,そういうのをマメに調整して初心者を大切にする楽器屋こそ立派なお店であると思うのですよ。初心者がそれを判断するのは難しいかもしれないけれど,楽器に詳しい仲間と一緒に行って色々なお店を見比べてみてほしい。きっと,きっとね,ダメな楽器屋さんはすぐに見つかるよ(泣)。