(某SNSからの転載です)
︎私がレッスンをしている渋谷の公園通りにある音楽教室がまだ駅東口にあった頃、同じ曜日に来てサックスを教えている金髪のデカい先生がいた。この先生は私より一回り以上年上で本当に凄いプレイヤーなのだが、いつも私がロビーで生徒やスタッフと話をしていると背後から忍び寄っていきなり私の脇腹を全力でくすぐるという大変困った人で、私が「ひっ」と叫んで飛び上がると走って逃げるというオトナにあるまじき行為を取る人だったが教室のスタッフ達からは大変敬愛されていた。
︎ のちに何度か演奏をご一緒する機会にも恵まれたが今更私如きがこの方の凄さ・素晴らしさについて書くなど正に僭越というものであろう。超絶な実力者でありながらとてつもなく華もエンタメもあるという、私のような地味めなミュージシャンには人生があと2回あっても辿り着けないような存在だった。
︎ やがて東口にヒカリエが出来る頃教室の移転が決まり、ベース科とサックス科は建物が離れてしまうことになった。
箭島「なんか寂しくなっちゃいますねー」
大路「そーだなー、もうコチョコチョ攻撃もできなくなっちゃうもんなー」
箭島「…(そこかいな)」
†
︎ 今朝方、その先生が亡くなられたと知った。あんな、太陽のような人が居なくなってしまうなんて信じられない。離れてしまうのはせめて教室だけにしてほしかった…。