…いや,バトルと言っても病院で誰かと戦った訳ではないです。強いて言えば私が勝手に自滅しただけというか。
†
「あらぁ血管細いわねぇ」
重ねて言いますがやぢまは採血童貞です。こんな事言われた日にゃさすがに若干逃げ腰になります。これはひょっとしてアレか,よく本なんかで出てくる「最初は失敗」ってやつか。そいつはちょっと勘弁していただきたい今日この頃なので僭越ながらこちらから一つの提案をさせていただきました。
やぢま「あ,あの,左腕にしてみるというのは」
看護婦「そうね,そうしましょうか」
あゝ我ながら何という妙案…などと自惚れつつ左腕をまくってみたのですが,どうやらこちらにも楽に血を採れそうなカモは見つからない模様。なんなら足でもまくってみますかオネヱサン,まさかこのまま見切り発車なんて事はないですよね? ね?
看護婦「ぢゃあこの辺でやってみますか」
あっさりと見切り発車宣言。しかも看護婦がおもむろに外したキャップの下から出てきた注射針を見てやぢまはチビりそうになりました。想像を遥かに超える太さ。鋭角に尖らせてある先端部。内部が空洞になっているのもはっきりと肉眼で観測できます。∴痛そう。
看護婦「親指を中に入れてしっかり力を入れていて下さいねー」
入れるなと言われても入ります(泣)
看護婦「チクッとしますよ~」ブスッ。
痛
看護婦「…出ないわね」
失敗
看護婦「ごめんなさいね痛かった?」
やぢま「…」
看護婦「やっぱり右腕にしましょうね」
やぢま「…あ,あの」
看護婦「?」
やぢま「き,気分が」
…情けないことに貧血を起こしてしまった模様。すぐに採血室の奥のベッドが並んでいる部屋へ連れて行かれ点滴を受けているヂイサンの隣に寝かされました。
看護婦「ごめんなさいね私が一回で決めないから」
いいえ私の血管と根性が細いからいけないのです。
看護婦「楽になったらもう一回やりましょうね」
やっぱリベンジするのか。何かもうこのまま逃走したい気分ですが頭がクラクラして起きあがれそうもありません。ともかく深呼吸して気を落ち着け,毛布をかぶりました。
…
…
…
カチャ カチャカチャ
物音に身を起こすとさっきの看護婦さんでした。しかも採血キット持参。
看護婦「あー寝てていいから。このままやるからね」
やる気満々な御様子です。再び注射針のキャップを外していわく「今度はね,いっちばん細いの持ってきたから」
最 か そ を っ ほ か た で が
初 ら れ 使 て し っ の す
†
ようやく無事採血を終え,少しそのベッドで休んでからレントゲン室へ行き,胸部を撮影して待つ事30分。検査の結果はインフルエンザも肺炎もシロでした。「まぁ普通の気管支炎ですね,風邪のひき始めなんでしょう」という診断で5日分の薬を貰って帰ったのですが,確かに症状のヤマはこのあと訪れ熱は38.4度にまで達しました。現在やっと平熱に戻りましたが頭はボーッとしたままですし動くのも億劫です。久々にキツい風邪でホント往生しましたがそれよりも何よりも採血ごときで貧血を起こしてしまう自分の情けなさに感動(感動?)。いずれ手術などをしなければならない時にはいったいどうなるんでしょうね私。「手術します」と宣告されただけで卒倒したりして。
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