15人も入れば満席,という都内の小さなお店で20分×3セットのライブがあった。店内では休憩中の居場所も確保できないし外にいるのは寒いので次のセットが始まるまで通りの向側にある喫茶店に一人で退避…しようとして扉を開けると中には知り合い同士と思われる私と同い年くらいの女性客が3~4人いて何と全員が膝の上に1匹ずつ小型犬を抱いている。しかもそのワン公たちがやぢまの方を見るなり一斉に吠え始め,何か物凄く根拠のない罪悪感を感じながらコソコソと隅っこのテーブルへ。飼い主達は「ほら,うるさいよ」などと一度たしなめてみせたものの後は知らんぷりで話に興じており,ワン公たちは鳴き止む気配すらなくちょっとムッとしかかったところに心無しか申し訳なさそうな顔で店主がお冷やを持ってきてくれた。
ワンワンいらっしゃンワンワンワンワンワンワンワンワン
ワンワンワンワンワンワンみませんカフェオレをくンワン
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン
ワンワントとアイスがありまンワンワンワンワンワンワン
ワンワンワンワンワンワンワンったかい方をワンワンワン
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン
会話が出来ねえんだけど。だいたい飲食店に禽獣を連れ込んでいる時点で普通な感じはしませんが,それがこの店の暗黙のなれ合いなのかも知れませんし寒さが凌げるのなら贅沢も言えません。カフェオレが運ばれて来る頃には犬達も静かになり猫舌で少しずつ液体を啜っているうちにようやく気分もくつろいできました。ちらっと犬達の方に目をやるとどの犬も何だか怯えた目でこちらの方を見ています。「弱い犬程よく吠える」とはよく言ったもんだな,などと一人で納得していると店の扉が開いて新たな中年男性の客が。
ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン
ワンワンワンワンワンワンワ(略)
どうにかなんねえのかよ。もはや飼い主達は知らんぷりであり犬達の中には中年男性にだけでなくどさくさに紛れてやぢまに向かって吠えている奴も。「オマエなんか飼い主が居なかったら3秒で首をヒネってやる」という笑顔でバカ犬を睨み付けてみましたが何の効果もなく,そそくさとカフェオレを飲み終え休憩前より弱りながら店を出ました。
カフェオレは大変美味しゅうございましたが
貴方のお店は何か大事なところで大失敗しているような気がします
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