感じること<その2>

 自分の得意分野に満足し「オレのスタイルはこれ」と決めつけて以後それしかやらなくなってしまうのは気分的には楽だけれど,反面それは与えられた仕事に対して自分から可能性を模索する事を放棄し,またそれを周囲に宣言している事に他ならない。仮にミュージシャンでいうとどんな曲をあてがわれても同じようなプレイしかしないような人の事がこれに相当するわけで,もう押しも押されもせぬ大御所がそういう境地にご到達あそばされるならいざ知らず,私らのようなキャリアの浅い,しかも主に他人の曲を演奏する機会の多いセッションミュージシャンがそういう事を考えるのは5億年早いと思うわけ。確かに雑誌などで紹介される大ヴェテラン達の演奏や言動,思想などに於ける強い個性は私らのような駆け出しから見ると憧憬的なものだけれど,そういうものは若いうちから狙って到達するものではなく長い人生に於ける経験や影響を受けた音楽,突然受けた強い啓蒙などによって自然に培われていくべきものだと思う。自分のできない事ができるプレイヤーを「あれは自分のスタイルとは違うから」などと言って目を背けるようなことはせず,それをも凌駕せんという意志を持ってこの先も研鑽を積み,感受性を磨きたいと思う。というわけで来年の(というより今後の)私の目標は「遁走はしない」ということ。

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 …自分の文章が活字になった事に関する唯一の不満は「勝手に読点を増やされまくった」という事。本来私は上の文章くらいの「,」の頻度が書くのも読むのも好きなんです。皆様来年もよろしゅうに。

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