失恋A・大失恋B

 【失恋A】※身分違いの叶わぬ恋

 ワタクシが生まれた1970年代はスーパーカー・ブームのど真ん中でして子供の目からも憧れのクルマと言えばやはりランボルギーニ・カウンタックやフェラーリBB512だった訳です。でもやぢまは奈良の田舎に住んでいたのでカウンタックのラジコンは持っていても実車を肉眼で観測する機会など全くと言っていいほどありませんでした。
 幸いにも現在のワタクシは都内での仕事が多く,都心をクルマで流していればフェラーリを見かける事などそう珍しくもありませんし,運がいいとランボルギーニ・ディアブロなんかを目撃する事もあります(個人的にランボ大好き)。もちろん購入を検討できるような車種ではありませんが今でも街中でこれらのスーパーカーを見かけるとぞくぞくしちゃうんですよね。宝くじ当たったら…みたいな(笑)
 ところが先日,年末ジャンボで1等ブチ当てても購入できないような超々スーパーカーと目黒通りですれ違ってしまったのでした。その名もブガッティ・ヴェイロン16.4。「16.4」の「16」はエンジンが16気筒である事を意味する訳でして(ランボやフェラーリは最高機種でも12気筒でっせ)これだけでも充分すぎるほどスーパーですが,その後の「.4」はそのエンジンに4基のターボチャージャーが装備されている事の証なんだそうです。こっちもクルマで走ってたのでちらりとしか見られませんでしたが,そのクルマは今まで見た事のないようなオーラを放っておりサイドミラーに写った後ろ姿は夢にも叶う夢と叶わぬ夢があるという事を語りかけてくるようでした(泣)
 ちなみにクルマの加速力とは例えば0→100km/hが3秒台であれば文句なしのスーパーカーと言えるでしょうがヴェイロン16.4はなんと2.5秒で100km/hに達するそうです。お値段は税込で2億円より100万円安い199,000,000円。最高速度は500系のぞみをはるかに上回る407km/hだそうですが,何とこのクルマ最高速で走り続けると100リッターのガソリンが12分でなくなるらしいので東京から大阪まで出向く際には新幹線に乗った方が良さそうです(それ以前に免許証が何枚あっても足りない気が)。

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 【失恋B】※こっちの失恋の方がショック甚大

 先日,渋谷でとあるライブに出演した日の話。リハーサルが終わり,開演時刻まで2時間も空きができたので一人渋谷の街を散歩。その時に「そうだ,楽器屋巡りでもしよう」と思ったのが運の尽き。いや,例え楽器屋に足を踏み入れてもウインドウ・ショッピングに徹し試奏などしなければ良かったんだけど,最初に入った楽器店でふと目に入った某E社の6弦ベースを勧められるままに弾いてしまったのが間違いだった。

…完璧だ。完璧すぎる。

 サウンドの質感,キャラクターの幅広さ,スラップ音の気持ち良さ,楽器自体の軽さ,35インチの弦長,どれをとっても自分が「もう一本仕事に必要」と思っていた楽器そのもの。価格は50万円台と決して安いとは言えないがフォデラやケンスミスの6弦に比べれば断然安いしヴェイロン16.4とは比べるべくも無い(比べてどうする)。とは言え現在やぢまは某V社の6弦エレアコベースをオーダー中であり今すぐ買うには財政がきつい。いっそヤマハを1本手放してでも今買っちまうか。ってかそれってライブで弾くために持ってきた楽器をそのまま下取りに出して買ったばかりの楽器で本番を迎えるってことぢゃん。そんな冒険できんのか。できる。いやできない。…などと逡巡しつつ結局楽器を元通りにしてライブハウスに帰ってきてしまったのだけど,本番を待つ間も本番始まってからも(共演者すまぬ 笑)頭の中は試奏した6弦の事でいっぱい。帰って飯喰って歯磨いてフトンの中に入ってからも試奏した感触が蘇ってきてなかなか寝付けない。寝不足の夜を2回過ごした後の休日,意を決して下取り用の楽器を1本携え当の楽器屋を遂に訪れるワタクシ。

売  却  済

 こうして私の春はあえなく終焉を迎えてしまったのだけど,あんまり悔しいので結局同じスペックの楽器をオーダーしちまったよ。やっぱりアレね,尊敬するピアニスト氏も「本当にいいものを見つけてもカネの事で逡巡するのは学生の発想だ」って言ってたけど,プロは仕事に本当に必要なものを見つけたときは迷わずGOしないとダメね。さてと,グリーンジャンボっていつ発売だっけ。<働けよ

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