鍵っ子イージーミス<その4>

 (<その3>より続く)

 ここはとにかくヨメが留守電かメールに気づいてくれる事を信じ,改めて「研修どこでやってるのか教えてください(泣)」というメールを1発発射。 駅周辺はコンビニ以外見事に何も無く,自分が待機するには不便なので改めて電車に乗り,研修先がどこであっても行きやすいよういったん横浜まで戻る事に。 この日新幹線を降りてからハンパ無くSuicaの残額を使いまくっており,些細な不注意が予想外に自分の財政を苦しめる事もあるという事を痛感しました。 ホント不注意って怖いね。

 横浜駅に到着。普通なら文庫本でも買ってカフェ的な場所で時間をつぶしたいところですが,もうとにかく汗で体中ベタベタなので「どこかでシャワー浴びたい」という選択肢が頭から離れません。のんびりサウナやら銭湯に入ってしまうとメールを見逃しかねないので,どこかシャワー付きの漫喫でも探してみるか…などと方向性を決め改札を出たその時,思ったよりも早くヨメから返信が!

 

 「研修は大井町です。16時半までです」

 地方じゃなかったー! しかも大井町なら電車で一本じゃないか! 時計を見ると 15時。時間が余りそうな気もしましたが「すぐに向かいます」と返信し,JRの改札から入り直し(Suica涙目)京浜東北線の乗り場へ。仮に首尾よく16時半に鍵を貰えたとしたら17時半頃には帰宅できるはずです。猫にとっては昼ゴハンが3時間半の遅延になってしまいさぞ不本意でしょうが赦してもらうしかありません。

 案の定大井町に着いたのは15時半頃。駅ビルの書店で20分ほど時間をつぶし,買った文庫本を持って駅前のエクセルシオール・カフェに入り残りの40分を読書で消費。依然として鍵を持っていない事がどこか所在なく,本の内容も何となく頭に入りづらい気がします。全く,鍵が無いのは家がないのと一緒だね…。

 研修は割と駅のそばで行われていたらしく,16:40頃にはヨメと無事落ち合う事に成功しました。同じ下り電車に乗ったのですがのヨメは「会社に寄ってく」との事だったので鍵を貰って途中で別れ,マンションの管理室で荷物を回収し,無事自宅のドアを解錠したのは18時。猫は寝ていたらしく目が半開きのまま玄関に出てきましたが,朝ゴハンの皿は空になっており腹を空かせていたのは容易に想像できました。遅い昼ゴハンを与えて何度も謝り,自分は悲願だった入浴をやっと果たし生き返った気分に。ここで大の字になって寝られれば満願成就だったのですが,自分たちの晩ご飯も用意しなければならないのですぐに着替えてクルマを出し駅前のスーパーへ。さすがに自炊する体力は残っておらず出来合いのおかずを買い漁り,帰宅して米を研ぎ炊飯器のスイッチを入れ…ここから先はいつもと変わらない日常でしたが,食事を終えた後自分の電池が完全に切れてしまい普段より4時間は早く寝てしまい ました。ホント,無駄に体力と電車賃を消費した一日でした(100%自分が悪いのですが)。

 

 †

 …それにしても今回ラッキーだったのはヨメと連絡が取れたのが存外に早かった事に加え,肝心の自分の鍵の在処がすぐに判った事でした。今回は名古屋の宿のルームキーがカード式であり,チェックインの際にそのカードを入れてあった紙のケースに宿の電話番号が書いてあったんです。最近,旅仕事の度にこの手のキーケースを家まで持って帰ってしまうのが半ば癖になってしまっていたのですが,この変な癖がなかったらベースのケースまで総浚いしたりといった無駄な行動が更に増えていたかもしれません。ともあれ部屋番号と電話番号を記したこの小さな紙切れに今回ばかりは感謝。

 


名前全然違うけどな

 

<完>