直感

 生まれてこの方サラリーマン経験がないので市井の肌感覚と乖離している可能性は大いにあるのだが,ここ最近は「企画書→会議(オンラインだけど)→タスク→報告書→また会議」みたいな,自分のような稼業からすると「こ…これがちゃんとした社会人か!」的な忙しさを存分に味わった,充実した2週間だった。それも物凄く仕事のできる部下を持った,年数だけで一応管理職に居座っているダメ上司の気分。…はっ! これ…もしかして……妖精…さん……?

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 そんな妖精ベーシストがですね,ついに「遠隔セッションセミナー」で講師として何か喋ることになりました。大丈夫か。私でいいのか本当に。

 ↑8/29に配信される(アーカイブもしばらくは残るかと)この動画は無料で見られる予告編ダイジェストでして,セミナー本編は9月下旬に有料のものが4回に分けて行われます(もういきなり申し込みたいとか言ってくださる方はこちらへ!)。で,ご覧の通り妖精,もとい箭島はアシスタント講師であり基本的には橋本さんの講義に相槌を打つ係と思われるので,上掲の「私でいいのか」という心配は杞憂に終わりそうです(何と言っても橋本さんがこの分野では最強すぎるので)。ただ遠隔セッションの特性上「プレイヤーもこの部分だけは自分でやろうね」っていう部分がどうしても出てくるので,その部分だけでも多少お話しできたらセミナー全体の情報量の1%くらいはお役に立てるのかなと思っています。また,かつてJC〜JKだった頃に私の生徒さんだったうぽる女史と(職種は違いますが)プロ同士としてお仕事をご一緒するのは初めてであり,このようなケースは講師人生でも多分初めてなので大変嬉しく思います(プロのベーシストになった生徒さんもいたのだけど,ベーシスト同士だと同じ仕事で会えないのよね)。

 中身の解説は特設サイトに飛んでいただいてお読みいただくのが早いと思うのですが,4回のセミナーそれぞれの需要は多分プロ/アマミュージシャン,エンジニアさんなどで多少分かれると思うので個別に受講していただくことも可能です。コロナ禍以降NETDUETTO / SYNCROOMを初めてここまでの4ヶ月で思うのは,こういうのってあまりにも生楽器/生演奏に慣れすぎている(+集音も録音も専門家にやってもらえる)プロの演奏家よりも,宅録とかを趣味的/DIY的にやっているアマチュアの方々の方が自分なりに使いこなせてる人が多そうだな,ということです。とするとプレイヤーさんでこのセミナーに興味持ってくれそうな方々は専らプロミュージシャンが多いのかな…と予想するのですが,DIY派の人だって普段この規模の機材を扱っているプロのオペさんの技術は知りたいだろうし,橋本さんと同業の方でもここまでどっぷりと遠隔セッションを研究しておられる人もそういないだろうし…などと考えると果たしてどの層の琴線に最も触れられるのかはちょっと予測ができないのですが,まぁともかく橋本さんのここまでの飽くなき研究によって培われた情報量と成果はおそらく比肩するものがなかろうと思いますので,ちょっとでも興味のある方には迷わずお申し込みいただきたいと思います。こんな慣れない企画,そう何度もやれないかんね(笑)。

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 さて遠隔セッションといえば,次の配信はもう9/27のオンラインクィンテットまでしばらくないや…と思っていたら,何と8/30(日)に急遽一本決まりました! 何とリーダーはあの! ミュージシャン界きってのアナログ派! 堤智恵子 (sax.) 女史です!


弘兼憲史さん直筆の似顔絵イラストが強力。課長堤智恵子!

 本人は「アタシがコレを始めたら他のミュージシャンも『あいつができるんなら俺にもできる』ってなるよね」などと笑っておられたので,「いやいやそんなひどいことはみんな言わないと思うけど」とフォローしつつも「ひょっとしたら言うかもしれない」と思ったのは内緒ですが(笑),でもま,こういうのをやってみたいと思う衝動って,結局アナログ派とかデジタル派とかはあんま関係ないんだろうな,と彼女の参入によって気づいたわけです。何でしょう,「きっと楽しいんだろうな」と思える直感ですかね。大事なのは。