今月24日(水)に予定されているAmaKhaの第100回記念ライブですが,緊急事態宣言の延長に伴い,会場サイドと協議いたしまして無観客・生配信のみのライブに変更させていただく運びとなりました。会場でのご観覧を予約されていた皆様には大変申し訳ありませんが,KEYSTONE Club東京さんの配信クォリティは首都圏では随一だと思いますので,是非ご自宅にてデカめの画面+イイめのオーディオでお楽しみいただければと思います。配信は同店のYouTube公式チャンネルにて行われる予定です。
ちょっと事情がありましてAmaKhaではここ1年半ほど「60分2セット」のようなフル尺ライブをご辞退申し上げていたので,ワンマンで2セットたっぷり演奏すること自体が本当に久しぶりです。サポート陣は去年AmaKha名義のライブではご一緒できなかった西直樹 (pn.) さん・岩瀬立飛 (drs.) さんに加え,2012年に大阪で初めてご一緒して以来いつかは東京でのライブに呼びたいと思っていた古賀和憲 (gt.) 君をお呼びできる事になりました。世の中巧いギタリストはたくさんいるのですが,「アンサンブルの中で自分の立ち位置を瞬間的に見つけられるギタリスト」はそう多くはいません。コンテンポラリー・ゴスペルではそのような能力に加え強力なグルーヴやソロを出力できる人が求められるのですが,古賀君は日本では本当に数少ない,それを可能にするギタリストだと思います。西さん・立飛さんの怪物コンビと古賀君のAmaKhaでの共演は当事者の私が今からゾクゾクするくらい楽しみな邂逅ですが,この空前の顔合わせを配信でしか皆様にお届けしないっていうのは,なんかこう申し訳ないですがある種の贅沢すら感じてしまいます。
ちょうど1年前の2月初旬というと,私たち音楽屋の間でも「ちょっと日本もやばくね?」くらいの空気感はあったかもしれませんが,1年経っても未だライブも簡単にはやらせてもらえないという状況になっているとは到底想定していなかった頃だと思います。ましてや10年前,AmaKha第1回目のライブを9人の大編成で敢行した時は10年後の世の中がこのような状況下に置かれているなどと1μmも予想していませんでした(ちなみに例のウイルスの大きさは1/100μm前後です。じゃあ仕方ねえわ)。しかし不幸中の幸いだったのは今の世の中がライブの生配信はもちろん,ネット越しにお互い在宅のまま同時演奏できるほど技術やインフラが進歩している事で,これがもし80年代だったら我々のようなライブミュージシャンはマジで壊滅してたと思うんです。私たちも政府や行政の要請に対し何らかの補償を要求する権利はあると思いますが,同時に今何か普段の業態に代えて仕事ができる手段が残されているなら,非常時の間あらゆる手段を試してみるべきだとも思っています。そういう意味では私たち演奏者はまだ恵まれていると思いますし,私たちより詰んで困っている職種の方々は大勢いるはずです。
コロナ禍以降遠隔配信のクォリティをあげるべく日夜研究を続けておられるT-SPECの橋本さんや,「どうせ配信をやるならとことんクォリティを追求して楽しもう」と実践しておられる京都RAGさんの姿勢を見て,私も「困った困った」と泣き言を言うよりは代替手段を楽しむ事にしよう…と改めて思いましたし、ライブのMCなどでも一貫してそういう姿勢でいようと努めてきました。今後はさらに,新たに作る音楽にもポジティブな気持ちになってもらえるような願いを込めていきたいですし,そういう音楽ができれば生だろうが配信だろうが遠隔だろうが,聴いてくださる人に願いは届くのだろうと思っています。今年最初のAmaKhaのライブが,そういうライブになるように…というのが今の私の目標です。