紹介済みと思ったら紹介していなかった

 8/9(月祝),遠隔同時演奏アプリ「SYNCROOM」を使いこなすバンド8組が一つの配信サイトに(ヴァーチャルに)集い,35分ずつの演奏をそれぞれ繰り広げるというヴァーチャル音楽フェス「R-LIVE Festival」が初めて開催されます。バンドも視聴者も全員自宅。バンドも1か所に集まっているのではなく,メンバー一人一人が各自在宅(一部例外を除く)。視聴者の皆さんは自室にライブを観る端末をただずっと置いておくだけで,8つのバンドが入れ替わり立ち替わり演奏するのを好きな食べ物や飲み物などを楽しみながらご覧いただくことができます。

 これだけですと「いつも遠隔ライブをやっている幾つかのバンドが同じ日に連続して演奏するだけ」とも言えますが,今回はなんとフェスの最後に「遠隔ジャムセッション」なるものを企画しています。延べ参加人数26名のプレイヤーのうち,参加できる19名が1カ所のZoomに集まり,定員4人(本来は5人ですが,エンジニアさんが一人常に入っていなければならないため4人)のSYNCROOMに交代で入退室し,一つの曲をリレー演奏していくという企画です。これは本当に企画と言うよりももう私の妄想みたいなところから始まった話なのですが,ダメ元でエンジニア橋本さんと具体的なセッティングや手順をシミュレーションし,曲をピックアップしてプレイヤーさん達にそれらを説明し,わざわざそれ用のリハーサル日を設けて先日試してみたらなんと殊の外巧く行ってしまいまして。これね,私らが凄いというよりは面倒な手順を各バンマスさん達がメンバーさん達に判りやすく連絡してくれたからだと思うんです(私は原則,バンマスさん達としか連絡を取り合っていないので)。妄想から始まった私の無茶な計画を本当に具現化するところまで持ってきてくれた橋本さんとプレイヤー各位のご協力には本当に頭が下がる思いです。

 …ここまで期待させておいて当日失敗したら大爆笑ですが(笑),もしそうなったらそれはそれでホントに笑っていただければと思います(私たちも多分,平気で1からやり直すと思います)。数年後,ネットインフラやアプリの機能が向上すればこのようなことも訳なくできてしまうようになると想像できますが,今この時点で「これは多少チャレンジングだな」と思えるような対象に敢えて挑む事に私は大きな意味があると思っています。そもそも,ミュージシャン全体に対する比で言うと現在でも決して多いとは言えないSYNCROOM人口ですが,にも拘らずこれだけのプレイヤーが集まったこと自体にフェスを企画した意味がまずあると思いますし,そんな猛者が集まれたからこそこのような無茶なセッションも実現できそうなところまで来れたのだと思います。今後このまま猖獗が拡大していくのか,終息まで間もないのか相変わらず見当もつきませんが,今はとにかく「出来ない」となんでも決めてしまわず,「出来そうだ」と思えることに怯まず挑み続けていきたいと思っています。

 今回のフェス,ご視聴は無料ですがR-LIVE.Netへの会員登録(無料)と¥0チケットのご購入が事前に必要です。その他チャットや投げ銭の方法なども動画にまとめておきましたので,よろしければご覧ください!

 

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 ちなみに今月は4ヶ月ぶりのYYOQの配信もあります。このバンドこそはNETDUETTO / SYNCROOMを成功させるために組んだバンドであり,まさに遠隔演奏の象徴とも言えるバンドですが,メンバーが重複しすぎるのを避けるため,敢えてフェスにはエントリーしませんでした。その分,この独立した配信でたっぷり楽しんでいただければと思います。

 サムネイルは近鉄特急のイメージです(笑)。

 その他,多くはありませんがいくつかのライブがあります。これらは配信付きですがリアルライブでもありますので,現在の感染状況を考えると開催は流動的かもしれません。また改めてご案内いたしますが,現時点での詳細はスケジュールのページでご確認ください!


こういうのが実現するのもSYNCROOMならでは

 先週の数日間,このサイトを訪問して数秒待たされたあとで突然「重大なエラーが発生しました」と表示されてのけぞった方々がおられたかもしれません。驚かせてしまい申し訳ありませんでした。私も自分のサイトを確認しようとしていきなり締め出されてのけぞったクチだったのですが,「あぁ以前もあったなコレ,確か数日放っておいたら元に戻ったような」と放置しておいたら全然治らなくて(笑),仕方ないので素人なりにあれこれリサーチしてWordpressを再インストールしたら元に戻りました。「そんなの管理ページで更新ボタン1回押すだけでしょ」と思うでしょ普通。このエラーさ,管理人も管理ページに入れなくなっちゃうのよね。まさかこの令和の時代にftpサーバに手突っ込む日が来るとは思わなかったよ。
 …というわけで現在は概ね元に戻っていると思うのですが,一時は画像が全部空っぽになってしまったりと結構大変でした。こういうの,忙しい時に限ってなるのよね。

 

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 5回くらい前の投稿のタイトルが「色々新企画考えています」だったのですが,そのうちの2つ「箭島裕治New Trio」と「R-LIVE Festival」に関してはネタバラシしてきました。そして今回初めてここでお知らせするこれが新企画の3つ目です。

 実はこれ,以前から「いつかはやろう」と温めておいたものではなく,オンライン・クィンテットのスケジュールを調整しているときに私と佐久間さんだけがえらいこと空き日が多いエリアがあったので,「勿体無いので何かやりましょうか」的な気軽さで始まった企画なのです。なので日程が決定した時点では出し物がまだ一切決まっていなかったのですが,まずは外堀を「とりあえず配信はR-LIVE.Netで」「最初なのでまず無料+投げ銭で」「アーカイブは無しにして,自由に選曲できるようにしよう」というところまで固め,それではという事でお互いにやりたい曲をどさっと持ち寄ってみた…というところまで現在漕ぎ着けております。さて一体どんな曲でタイマンが繰り広げられるのか? こればっかりは普段私たち周辺の配信を見てくださっている方々にも,大方想像もつかないだろうなぁ…と思います(特に佐久間さんサイドの選曲は)。とにかく初回は無料ですので(投げ銭是非投げて下さいネ),皆様お気軽に見にいらして下さい! 7/31の16:30にR-LIVE.Netにアクセスすればライブは観られますが,チャットと投げ銭のご利用には無料の会員登録が必要です! 前述の通りアーカイブが一切ありませんので,絶対にリアルタイムでどうぞ!

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 先月27日に生配信し,今月の14日に再配信した箭島裕治New Trio “The 2nd Live!” のアーカイブご視聴(有料・1,600円)が7/28(水)いっぱいまでとなっております。奥山勝 (kb.) さん・服部恵 (perc.) さん・私 (bs.) の三人で奏でる「大人の音楽」,まだご覧になっておられない方はR-LIVE.Netのチケット販売ページへお急ぎください! さぁ早く早く(笑)!

↑ダイジェスト動画です↑

 

残りの7月のワタクシ

 本当にたまたまだったのですが先月はこのような社会状況にもかかわらずいろいろなお仕事を頂いていて結構な睡眠不足が続いていました。今月に入ってもしばらくその状態が続いていたのですがおかげさまでやっと一息つくことができ,先週末ようやく泥のように眠れる日を1日作ることができました。ここから先は逆に予定が空っぽすぎたんで入っているライブは自分企画のものばかりです(笑)。それぞれ,詳細はScheduleのページをご覧ください!

 ●7/14(水)箭島裕治New Trio “The 2nd Live!” 【再配信】@R-LIVE.Net

 先月27日に配信した,遠隔演奏専門トリオ「箭島裕治New Trio」第2回ライブの再配信です。6/27初回配信時のチケットを購入済みの方はR-LIVE.Netにログインするだけでアーカイブ期間(2週間)含めご覧いただくことができます。それ以外の皆様はこちらでチケットをお求めください! チャットには私も参戦しようと思っています。ひょっとすると他のメンバーも現れるかも。演奏者がチャットに降臨できるのは「再配信」ならではですよね。

 ●7/18(日)AmaKha Broadcasting! 番外編投げ銭ライブ【生配信】@YouTube

追記:私のミスでURL変わりましたので,動画掲載し直しました。すみません。

 「時代の潮流に乗ったぜ!」とばかりに3月から始めたAmaKhaのサブスクが,7月から早くも頓挫もとい休業を余儀なくされることになったので(私たちは1mmも悪くないの),「お休みの間はみんなが見られる配信を月1でやろうよ」という事になり,とりあえず7月はYouTubeで投げ銭のライブを一つやることになりました。ピアノはいつもお世話になっている奥山さん,そしてドラムは何とまだZoomでしかお会いしたことのない渡部正人さん! 普通なら「一度も会ったことのない人」をお仕事にお誘いするのは私の流儀ではないのですが,ある日エンジニア橋本さんから「今,SYNCROOMでライブやってるバンドがありますよ!」とメールがあって見に行ったプログレバンドのドラムの方を私がいっぺんで気に入ってしまった,と(笑)。こちらからお送りしたAmaKhaの資料を渡部さんも大層気に入ってくださったとのこと。トーク盛り上がりそう! アーカイブは2週間,投げ銭はこちらから!

 ●7/31(土)Spin-Off-Duo【生配信】@R-LIVE.Net

 先日,オンラインクィンテットの連絡網スレッドで日程調整をしている時に佐久間女史とのの間で「私8月無職です」「私も」「じゃあ無職同士でデュオでもやりますか」という話になり,本当に実現した無職もといスピンオフデュオの配信ライブ(結局そんなに無職でもない7月にブックされた)。初回ご祝儀ということで無料の投げ銭ライブとなりますが,何とアーカイブ無しという挑戦も設けてあります。もう収益化一切度外視,やりたい曲をやるのみ。多分トークも猛毒必至(笑)。
 この配信は配信日時にR-LIVE.Netにアクセスしていただければ観られますが,チャットや投げ銭のご利用には無料の会員登録が必要です。まだ開始時間等決まっていないので,追ってScheduleのページでお知らせ致します!

お知らせ

 実は当初、7月5日に激レア・スパニッシュ・コネクション(吉見征樹tablaさん・平松加奈vlnさん・服部恵percさん・私bs)でゲリラ配信ライブを敢行する予定だったのですが、スパニッシュ・コネクションのリーダー伊藤芳輝gtさんの訃報を受け、このライブをゲリラではなく事前にお知らせする形での追悼ライブとする運びとなりました。

 私たちもまだ訃報を受け入れる余裕があるとは言えない状態で、当初「やれるだろうか」「もしやれそうならやろう」という感じではあったのですが、「もしやれるとしたらどういう形にしよう」「もしやるならop動画はどうしよう」とか話し合っているうちに、いつしか自然とやる流れになっていきました。まだ伊藤さんのファンの皆様も到底悲しみが癒えぬ中ではあろうかと思いますが、7/5は4人揃う貴重な機会であり、これ以降はだいぶ先になってしまう可能性もありますので、どうか伊藤さんが天に帰るこの日に伊藤さんの曲で伊藤さんをお送りする機会を設ける事をご理解いただきたく思います。なお、この配信での演奏者への収益は全て伊藤さんのご家族にお送りする事になっています。

 配信の詳細はScheduleのページに記載いたしましたのでそちらからツイキャスのチケット購入ページにアクセスして下さい。配信は7月5日(月)18時30分からですが、アーカイブが1週間残りますのでお時間のある折にご覧いただければと思います。伊藤さんに対する様々な想いを皆さんと共有できたら、と思っています。

 


飄々と

 全国にファンを持つ稀有なインストバンド,スパニッシュ・コネクション(以下スパコネ)のリーダーでありギタリストである伊藤芳輝さんが亡くなられました。
 私は2016年に芳輝さんソロ名義のライブにお誘いいただいたのが初共演で,以降芳輝さんのトリオメンバー/スパコネのサポートメンバーとしてこの5年間全国各地でライブをご一緒させていただきました。

 初めてのライブにどのように誘われたのか,またその時の印象,以後どれだけ楽しい想いをさせていただいたか,私から見た芳輝さんという人物やスパコネというバンド像などは,今まで折に触れあちこちでお話ししてきた事ですのでここで改めて思い出話をするには及ばないと思います。
 ただ私の中で数年前から,芳輝さんのことで澱(おり)のように心の底にわずかに溜まり続けていた感情があります。澱といってもそれは嫌な汚れのようなものではなく,旨い濁酒のそれのような甘美な澱です。

 数年前,別のお仕事のトラブルで私が間接的に芳輝さんにご迷惑をかけてしまったことがあり,朝起きたら芳輝さんから「何かあったのですか?」という趣旨のメールが届いていました。返信で事情を説明しお詫びをしたところ,程なくして芳輝さんから再びお返事をいただき,そこには問題ないという旨と,それに続いていくつかの言葉が書かれていました。それは言わば私信でありここで詳らかにすることはできませんが,甘美な澱とはその時にかけてもらった言葉によって生まれた感情であろうと思います。それは「自分はこの人に一生ついていく」とか「この借りは必ず返さないと」といった肩肘を張ったものではなく,「なんだか判らないけれど,この人をずっと見ていた方が自分のためになるだろう」という漠然とした感情でした。

 20年間一緒に苦楽を共にしてきたであろうバンドメンバーの吉見征樹さん・平松加奈さんの喪失感や,私よりずっと長い間スパコネの音楽を愛し続けてきたファンの皆様の悲しみを私の感情と同列に語ることはできず,SNSにこれを直接書くことは憚られましたが,ミュージシャンは何があろうと音楽でお客さんに満ち足りていただくのが仕事であり,自分が明日から前を向いて進むため,まさに自分のためにここにその思い出をひとつ書き残しておこうと思い立った次第です。

 私にとっては甘美な澱を熟成させていた自分という樽の底の栓を,突然抜かれてしまったような芳輝さんの訃報でした。たとえ栓を抜かれても澱は全てが流されていくようなことはなく,今は樽の底に残った澱が放つ芳香の甘美さにただうろたえるしかありません。演奏や作曲によって生きた証を残していくのはミュージシャンの本望だと思うのですが,こんなふうに足跡を遺していくことができる人が,いったい何人いるというのでしょう。

 長い時間をかけて,澱の成分が樽材の繊維の中に染み込んでいってくれないだろうか。そんな受動的な気持ちでいます。



 ↑深夜出港のさんふらわあ号に乗船した瞬間に酒盛りを始めるスパコネのメンバー。左から平松加奈 (vln.) さん,伊藤芳輝 (gt.) さん,吉見征樹 (tabla) さん。バンド結成から19年目となる2019年。