月別アーカイブ: 2010年8月

備忘録<その81>

 ●仕事上でお世話になった方が先日亡くなった。この方はミュージシャンではないのだが若い頃クラリネットを吹いておられたそうで,がん治療のさなか何十年ぶりかにクラリネットを吹いてみると見る見るうちに体調が恢復していったというエピソードを披露してくださった事がある。果たして,エレキベースはどうなんだろう。肉体的な影響というと「重いし肩は凝るし」というヤな印象しかないが,長期的に見ればやはりプレイし続ける事で身体に何らかの好影響を及ぼしているのだろうか。(ボケにくくなるとか)
 ●このクソ暑い中全く似つかわしくないのだが,先週の半ば頃に軽めの風邪をひいてしまった。幸いすぐに快方に向かって事無きを得たのだけれど,この盛夏に「鼻セレブ」を大量に持ち歩き一日中クシャミをしっぱなしの自分はきっと「街で一番場違いの人間」だったに違いない。
 ●予習しておかなければならない資料が大量に溜まっているのだけれど,そういう時に限って「相棒」の再放送をやっているので困る。しかも1日2本。見てしまうではないか。
 ●猫が人間にじゃれる時に甘噛みするのは猫好きにとってはたまらない仕草かもしれないが,ネコって飼い猫でも血が出るほど噛まれると危険なのだそうだ。嫌気性の細菌が口の中にいるらしく,傷が深い場合はすぐに抗生物質を注射しなければならない,という獣医さんの話。でもうちのウメは甘噛みすら滅多にしてくれないのでちと寂しい。噛んでくれ~<猫バカ


箭島裕治トリオ@池袋マイルスカフェ

 今週土曜日(28日)には池袋マイルス・カフェで「箭島裕治トリオ」のライブがあります。「宴」以外のリーダーセッションをピアノトリオで やる事はあまり無いのですが,今回のトリオは以前歌もののバックでご一緒した時に私が「インストでもやってみたいナ」とつい思ってしまった懐の深いメンバーであり,普段私のリーダーセッションでは大抵メンバー全員にやりたい曲を持ってきてもらうのが常なのですが,今回は全曲私の選曲で森丘君平山さんのオトナなプレイを存分に楽しんで頂きたいと思います。平山さんは言わずと知れたスーパープレイヤーですが,ピアニストに厳しいこの人が絶賛する森丘君のプレイを見た事が無い方がもしいたら絶対聞きにきてください。今私が一番リスペクトするピアニストです!

 

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 以前にもここで書きましたが,メールアドレスを公開しているせいで1日に大体300~400くらいの迷惑メールが来るのです(これでも最近かなり減りました)。メーラーのスパムフィルターはあまり正確に効かないのでいちいち削除しなければならず,あまりに煩わしいので2年くらい前から全てのメールアカウ ントをgmailに一括して転送するという方法を使い始めました。gmailのフィルターはかなり優秀でスパムをほぼ100%「迷惑メール」にきちんと分類するのです。
 ところがしばらく使っているうち,このフィルターがごくたまに知人からのメールを「迷惑メール」に放り込んでしまう事がある事に気がつきました。仕方がないので以降は迷惑メールフォルダを一応ざっとチェックする事にし,知人のメールを見つけたら「迷惑メール」を解除するという作業をちまちま行なってきました。その結果このミスはだいぶ減ってきたように思うのですが,それでも2ヶ月に1通くらいの割合でどぶの中から自分宛のちゃんとした手紙を発見する事が あります。そして困った事に,どうやらこのサイトのメールフォームから送信されたメールは,かなり高い確率(これもほぼ100%)でスパム扱いされてしまうらしいのです。私は専門家ではないので原因はよく判らないのですが(でもなんとかしないといけないですね),「麻雀のメンツが足んないんだけど…」というメールならいざ知らず,お仕事の依頼がメールフォームから送られてきた時に気づかずに放置してしまったとあっては一大事です。

 問題はもう一つあって,こちらのアドレスが「ほにゃらら@gmail.com」だと相手側に弾かれてしまう事があるのです。弾かれて戻ってきた折には別アカウントから再送すればいいのですが,相手側の迷惑メールフォルダに入ってしまうと相手も気づかないケースがあり,現にこちらが送った返信が気づかれずに再度同じ問い合わせを送られてきた事が何件かありました。よく考えたら毎日どぶ浚いをしなければならない手間も結局以前と同じですし,この方法って実はあまりイケてないのかなぁ…という気もしています。


外人まで洗脳する関西文化

 オバタラ・セグンドの ツアーで数日間横浜を留守にしておりました。と言っても1日目は東京だったので普通に自宅に戻り,2日目(13日)からの名古屋・京都・京都で3泊し,翌 日別のライブが六本木であったので京都から直行し,17日の未明にようやく帰宅。今回はクルマ移動だったのですがドラムの平川氏と運転を交替しながらだったのでずいぶん楽ちんな行程でした。
  唯一キツかったのは16日に京都から六本木(17時入り)へ向かう際,渋滞が心配だったので平川氏と相談し朝7時にお宿を出発した事。前夜さすがに潰れるまでは飲みませんでしたがそれでも午前2時くらいまでは打ち上がっていたため,殆どお酒を飲まずに打ち上げを早退した平川氏に翌朝の運転を殆どお任せしま した。蓋を開けてみると渋滞はほとんど無かったため15時には六本木に着いてしまいましたが,おかげで搬入の前にネットカフェでたっぷり仮眠できましたし,同日朝10時に京都を出た中路氏は東京に着いたのが何と23時頃だったらしいので早起きしたのは強ち間違いではなかった,どころかむしろ大正解だったようです。ともかく早起きに付き合ってくれた平川氏に感謝。

 ツアーは4日ともたくさんのお客さんに来て頂き大変盛り上がりました。前にも書きましたがこのバンドのライブではいつも「継続すること」の大切さをひしひしと感じさせられます。まれに見る不況のせいでジャズのライブはどこも客席が寂しいという話を皆口々にしますが,一方ネットなどの普及のおかげでエンドユーザーはどんなコアな趣味でも欲しい情報にたどり着けるわけで,良いものを発信し続けてさえいれば見る目のあるお客さんは少しずつでも必ず増え続 けていってくれるのだ,と。実際この恒例夏ツアーだけを見てもお客さんは年ごとに普通に増えていってくれてるわけで,これは突き詰めてみると偏に中路さんの情熱の賜物なのだと改めて感じ入りました。自分も11月にはバンマスとして「」のツアーに出かける訳ですが,「不況だから」のような事はいったん脇に置いておいて,来てくださる方にともかく良いもの/楽しいものを見てもらう事だけを考えようと心に決めた,そんなオバタラ・ツアーでした。

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 さて京都と言えば九条ネギ。今回のツアーでもお世話になった京都RAGの近所にラーメン屋さんがあるのですが,そこの一押しメニューは背脂を浮かせた醤油ラーメンに細切りにした九条ネギを山のように盛った「九条ネギラーメン」 なんです。京都での2日目にそのラーメンが食べたくなって一人で暖簾をくぐったのですが,応対してくれたかわいい女性店員さんから「すみません本日九条ネギラーメン終わっちゃったんです」と残念な宣告が。仕方がないので普通の醤油ラーメンを注文し啜っていると,程なくイラン人っぽい外国人男性が入店して私のとなりのカウンターに腰掛けました。さっきの女性店員がすぐにオーダーを取りに来たのですが,驚いた事にこの外人がめちゃめちゃ流暢な日本語を使うのです。

 イラン人「えーと,どれにしようかなー」

 ↑本当にイラン国籍の人かどうかは判りませんがとりあえず「イラン人」。しかし「えーと」などの間投詞まで自然に聞こえるほどの完璧な日本語です。思わず隣で聞き耳を立ててしまいました。

 イラン人「じゃあね,この『九条ネギラーメン』」
 女性店員「あっ,九条ネギラーメン今日終わっちゃったんです」
 イラン人「えーっそうなの?」
 女性店員「そうなんです,すみません」
 イラン人「じゃあ八条ネギラーメン!
 女性店員「…そういうのもないんです」

 …関西だからっていちいちボケんなイラン人! ラーメンの汁吹いちまっただろ!


8月は忙しくて更新頻度上げられねっス

 コーヒーを飲むのが好きなのだけれど,1年ほど前からコーヒーを摂取したあと胸焼けが起こる確率が急に高くなってきたので以後は飲む量を若干控えるようにしてきた。ところが最近,コーヒーだけでなく野菜ジュース・オレンジジュース・ウーロン茶・玄米茶・なぜかハンバーグなどでも高確率で胸焼けを起こすようになってしまい,しかもどれも好きな飲食物ばかりなので困り果てている次第。年を取るってこういう事なのね,などと寂しく考えながら水と牛乳ばっかり飲んでいる毎日。

 ちなみにやぢまが胸焼け時に飲んでいる薬は新新薬品のA2胃腸薬(顆粒)。漢方薬っぽい味がするところが萌えポイント。

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 2年前に初めての教則本を書き上げた時には「あーもうこんな重労働は最初で最後だー」と固く心に誓ったはずなのだけれど,今は「こういう本なら書いてみたい!」という教則本のテーマが一つだけある。それは「初心者から使える,五線とコードネームが読めるようになるためのベース教本」。要は「初めて触れる楽器がベース」という真っ白の人が割と本気でプロを目指す,という難関シチュエーションでもきちんと役に立ってくれる本なら書いてもいいナと思っているのだ。巷のベース教本はほぼ例外無く五線にTAB譜が併記されているけれども,あれがあると「楽器自体が初心者」という人はどうしても五線を読もうとしないし,調や和声といった音楽そのものの根幹を理解する上でも単なる遠回り(というかほぼ邪魔者)にしかならない。にもかかわらず音楽出版各社としては雑誌/教則本共に「TAB譜なし」 は有り得ないのだそうで,理由は「TAB譜がないと売れないから」なのだそうだ。
 私が温めているテーマはそのTAB譜が原則として「一切出て来ない」教則本なのだから,おそらくどこの出版社もこの話には乗って来ないだろうな~と容易に想像できる。一方こちとらは「趣味でいい」という生徒が殆どの音楽教室で10年近くベースを教えてきた経験上,「TAB譜があると誰にでもスタートが 取っ付きやすい代わりに,内容が高度になるとTAB譜しか読めないせいで落伍する人が大勢出てくる」という事実をいやというほど知らされている。だいたいよく考えたらそんな趣味中心の音教でもサックスやチェロを習う人は初心者の時点から奏法と同時に五線の読み方を習うのであり,1年も経てば演奏スキルの差は多少生まれてもドレミくらいは誰でも読めるようになっているのだ。こんな当然な事がベースでだけ広まらないのは偏にTAB譜の安易さに教える方も教わる方も頼り切っているせいであり,教える立場の自分自身も「頼り切っている一人」として「このままではいけない,自分でも新しい方法論を何か生み出して提示しなくてはならない」と一応考えているのだ。
 
 …方法論とか偉そうな事を書いてしまったが私が想定している内容は基本フォーム解説,ヘ音記号の読譜と対応する左手のポジショ ン,簡単なスケールやアルペジオの練習,リズムの読譜と普遍的なベースラインの演習,調と調号・臨時記号の解説,コードネームの概説とリズム譜を読む演習…など,コードネーム関連以外はどんな楽器でも最初に習うのが当たり前な事ばかりだ。もちろんこれをすべてTAB譜抜きでやるのである。特定の運指を示す際にもイラストや写真を使う。その方が絶対判りやすいし。

 どこからも頼まれなくてもいずれコツコツ書き始めてみるかな。ひょっとして持ち込みでもしたら賛同してくれる出版社も一社くらいあるかもしれないし。もちろん「これにTAB譜を付けて頂いて…」という話にはビタイチ耳を貸すつもりはありません。どこも採ってくれなかったら自費出版すればいいし。

 あーこれで老後の楽しみが増えた(笑)