「かなめ」

 いよいよ近づいてきました,BOOT FUNK + AmaKhaのジョイントライブ。会場は私が中学生〜大学生くらいの間を過ごした街,荻窪にあるルースターさんです。今までルースターさんは本店とノースサイドの2店舗があったのですが,今年9月からノースサイドに2店を併合し,新たに「荻窪ルースター」さんとしてリスタートされました。今まで他のバンドでは私もよく南口の本店に出演させていただいたことがありますので,お客さんの中にも「あ,ルースターね,南口出てすぐの。OKオッケー」というイメージを持たれている方も多いと思いますが,北口・杉並公会堂の近くに移転してますのでどうぞお間違いなく。またリーズナブルな生配信もありますので(あって良かったホント),ご来場が難しい方は是非ご利用ください! 来場予約・配信視聴とも,お申し込みはこちらのサイトで承っております。

 下の動画は6/1に同じメンバーで六本木キーストンクラブさんに出演した時の配信動画のハイライトで,確か当時,お店の配信視聴者数の記録を塗り替えたはずです。自分でもものすごく気に入っている動画なのですが,よく考えれば自分のリーダーバンドを2つ合わせたんだから自分が気にいるのは当然ちゃ当然よね(笑)。自分の好きなものばっかり詰まってるんだから。

 

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 動画と言えば,そしてルースターと言えばもう一つここでシェアしたい動画が。

 最後にAkaneko Latin Projectのライブをルースターでやってからそろそろ1年になろうとしています。もうご存知の方も多いと思いますが,バンマスでピアニストの野口茜女史は2020年の殆どを闘病生活で過ごしておられます。

 この動画は東京都の芸術支援プロジェクト「アートにエールを!」に応募し採択された作品で,ALPの最も新しい演奏動画でもあります。曲はこの動画のために書き下ろされた新曲で,女史の演奏は入院と入院の間隙を縫って録画/録音されたものです。また時折インサートされる写真は,女史が撮った日本の風景と加瀬田聡 (perc.) 君が撮ったキューバの風景からピックアップしたものです。

 私はこの動画を見ると,2種類の懐かしさを感じます。

 一つは「懐かしい」といっても大層淡いものです。
 ちょうどこの演奏動画を各自で撮っていた頃はまだ「ライブ」そのものが自粛から明け切っていない頃で,他のミュージシャン達も皆音楽を外に向かって伝えるために,オーヴァーダビングによる慣れない動画の制作を挙ってやっていたよなぁ…という懐かしさです。しかし淡いといってもたかだか半年そこら前の事を「懐かしい」と思うというのは,それが今の自分たちと全く違うムードであるからかもしれません。

 いま一つの「懐かしさ」は逆に「郷愁」といってもいいもので,それはもちろんこの4人で演奏する事自体に対するものです。娑婆にいるメンバー3人は皆このバンドで再びライブができる日,何ならリハーサルができる日すらをも恋焦がれていると思いますが,待ち時間が長いほど再会の喜びも大きいと思いますので,どうかバンマスにおかれては我々3人を放置プレイしてゆっくり体を治してきてくれたらと思います。

 

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 当たり前だけど,やっぱりバンマスはバンドの要なんだよね。バンマスがいなければバンドはできない。残りのメンバーで演奏ができたとしても,それは元のバンドとは別のセッションでしかない。スパニッシュ・コネクションのツアーは「ツアーだったからこそ」バンマスがいなくても敢行できたのかもしれない(中止にするのも容易ではないから)。

 茜ちゃんも千鶴ちゃんも芳輝さんも,みんな「要」なんだよなぁ。そんな「要」感がバンマスとしての自分にもあるのだろうかと考えてしまう今日この頃。