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サイト更新情報,メディア出演情報等をお知らせします。

20年

去る9月9日,当サイトは20周年を迎えることができました。

 

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 普通なら「サイト開設から20周年」というキリのいい記念日であれば存分に祝い寿ぐべきところなのかもしれませんが,2001年の9月9日と言えばアメリカ同時多発テロ事件が起こるたった2日前のことであり,それ故このサイトの10周年はかの事件の10周年とほぼ同義,20周年もほぼ同義…という風に,過去もこれからもそのことを思い出さずにはいられない筈であり,祝福というよりは首(こうべ)を垂れるような気持ちでここまでの日々に思いを馳せています。まして10周年の時は東日本大震災から半年しか経っていない折であり,剰えこの20周年をコロナ禍という未曾有の危機の中で迎えることになった今,自分がどうにか20年この極東の島国で一人の大衆音楽の楽器奏者として細々とやって行けていることを改めてありがたいと思い,誇りにも思い,ある意味では後ろめたさも感じています。

 10年前のここ「Meditation」で私はその年に起こった震災のことを「10年前(2001年)の自分にはこのような大災害が10年後に起こるなど夢にも思えなかった」という趣旨のことを書いていますが,それはこのサイトを始めた2日後に起こったテロ事件についてもそうですし,「想像もできない」度で言えば今般のこの世界規模の病疫以上のものはなかったとも言えます。そのような激動の時代に,比較的平和な国日本で,呑気に「アリとキリギリス」のキリギリスよろしく楽器などを弾いて毎日を過ごしてきた自分という人間がおり,そのキリギリスが「仕事上,窓口くらいあった方がいいだろう」とばかり作ったウェブサイトは形や場所を変えながらも20年間存在し続け,窓口というよりはむしろ記録係として私を助けてきてくれました。

 実は最近,eBASS塾のFacebookページの方に日記を書いております。「SNSに投稿するくらいならここに書けよ」と言われたら返す言葉もありませんが,そんなことでもしないとあのページは動きがなさすぎて,eBASS塾自体が忘れ去られかねない気がしまして(笑)。しかしいくら気軽に投稿できるといってもSNSは私にとっては原則「プライベートスペースである」という認識なので,一(いち)ベーシストとしての公の窓口はやはりこのサイトであり,こここそが私というベーシストの「顔」であり,人前に出るプレイヤーとして最も重要なことはここに書き,表明していくというスタンスは今後も変わりません。SNSの日記は本気で忙しくなったら多分やめてしまいますが(笑),ここはどんなに更新頻度が落ちても私がベーシストである限りは辞めることはないでしょう。そう言えば,ここを始めた頃にはブログもSNSもまだ,その言葉すら存在していなかったんですよね。

 他人から「やれ」と言われるとやりたくなくなり,「やるな」と外圧がかかるとやりたくなるという天邪鬼な性格は自分でも困ったものだと思いますが,まさかこんなにも音楽がやりづらくなる世の中が来るとは思ってもみなかったもんで,おかげで音楽がやりたくてやりたくて仕方がない今日この頃です。皆様,ここからの20年も当サイトを何卒ご贔屓に,よろしくお願い申し上げる次第です。

 

【箭島裕治公式サイト 年表】

年月日 出来事 その頃のトップページ
2001.08.02 ピアノトリオ「宴(うたげ)」1st Live  
2001.09.09 Appleの無料サーバにベーシスト箭島裕治公式サイトを開設
2001.09.11 米同時多発テロ事件が起こったことを,ヤマハの新講師合宿研修中に知る  
2001.11.xx 晴れてヤマハの講師として稼働開始  
2002.07.20 So-netのサーバにサイトを移転  
2003.12.xx この頃,インストバンド「Child」を立ち上げる  
2004.03.09 有限会社アプレットの山口さんと知り合いになり,同社のサーバに移転させてもらう。アドレスが yajima.applet.jp となり,えらいこと短く覚えやすくなる
2004.07.07 (有)アプレットの藤原さんにサイトデザインを一新していただき,全面リニューアル。サイト保守も同社に委託
2007.03.xx 野呂一生 (gt.) さんのソロプロジェクトの録音に参加。のちにISSEI NORO INSPIRITSというバンド名がつく  
2008.03.20 ヤマハミュージックメディアから教則本「ベース・ラインの技」初版発行  
2008.03.27 ISSEI NORO INSPRITS第1回目のライブ@渋谷AX  
2011.03.11 東日本大震災発生。箭島はピアノトリオのリハ中だった  
2011.03.20 ゴスペルユニット「AmaKha」を立ち上げ,第1回目のライブを行う  
2011.09.09 当サイトが開設10周年を迎える  
2012.03.12 (有)アプレットさんに再びサイトを全面リニューアルしていただき,公開。Wordpressベースとなり,更新の仕方が全然判らなくなる(笑)  
2014.10.11 教則動画配信システム「箭島裕治eBASS塾」開講  
2016.08.12 2004年から続けていたセッションプロジェクト「箭島裕治Boot Funk」のメンバーを固定し,バンド化。AmaKhaと両輪のリーダーユニットとなる  
2018.02.19 (有)アプレット山口さんが亡くなられたため,ドメインyujiyajima.comを取得しサーバをonamae.comに移転。デザインもリニューアルし,現在に至る  
2018.03.15 黒瀬香菜 (org.) 女史が脱退したBoot Funkに,佐久間優子 (pn.) 女史がゲスト参加。以降正式メンバーとして加入していただき,現在に至る  
2020.05.10 コロナ禍第1波であらゆるライブが全て中止に追い込まれる中,AmaKhaで初めてNETDUETTOとzoomを併用した遠隔同時演奏による配信ライブに挑戦。多大な反響を得る  
2020.06.13 PAエンジニア橋本敏邦さんにAmaKha配信を遠隔ミキシングしていただき,現在の遠隔ライブの礎を築く。以降SYNCROOMにアップデート後もほぼ全ての遠隔ライブでご協力を仰ぎ,現在に至る  
2021.02.20 AmaKha第100回記念ライブを敢行するも,緊急事態宣言下のため無観客開催となる  
2021.03.20 AmaKha10周年記念企画「AmaKha Broadcasting!」発足  
2021.08.09 SYNCROOMによる遠隔同時演奏を駆使し,プレイヤー,スタッフ,視聴者全てが互いに全く感染リスクのないまま楽しめる音楽フェス「R-LIVE Festival」vol.1を開催  
2021.09.09 当サイトが開設20周年を迎える  

 


勝つと「演奏する悦び」が手に入るギャンブル

 改めまして,9/1に予定されていた「箭島裕治BOOT FUNK!」ライブを延期とさせていただいたことを,ご来場・ご視聴を予定してくださっていた皆様にお詫び致しますとともに,苦渋の決断だったことをご理解いただけますようお願い申し上げる次第です。時短営業や酒類の提供無しを守りつつも割と巷間でライブが行われている中で自分のリーダーライブを中止にすることにはやりきれないものがありましたが,「都内や神奈川県で何千人」という数字よりも,周辺のミュージシャンで実際に罹患する人が増えてきているという肌感覚,お客さんやメンバーも公共交通機関に乗ってくるという事実,そして会場や一部メンバーの住居がある神奈川県の病床使用率の深刻さなどを考え,延期という決断に至りました。

 物事には何でも程度というものがありますので,私も何もかもがゼロに戻るまで待ち続けるつもりはなく,どこかの時点では「これならライブをやらせてもらっても」という判断をつけるつもりでいます。せめて,前回(6月)や前前回(4月)と同じくらいの社会状況になってくれれば…と願っているのですが,そうなってから3ヶ月先のライブをブックしても,3ヶ月経った時に状況が好転しているとは限らない…というのが歯痒いところです。
 なので早晩,数ヶ月先のライブを「事態が好転している」方に賭けてブックする事になるでしょう。このギャンブルに付き合わされるメンバーや会場さんはたまったもんじゃないかもしれませんが,もし賭けに勝ったとしたらその時の演奏は爆発的に良いものになりそうな予感がします(笑)。どうか皆様,今後も続くコロナ禍とBOOT FUNK!との戦いを熱く見守っていただければと思います。

 

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 次回の私のリーダーライブは9/5(日),「箭島裕治New Trio」による3回目の配信ライブとなります。本来奥山勝 (kb.) さん・服部恵 (perc.) さんと私 (bs.) によるトリオなのですが,今回は服部女史のご都合がつかなかったため,ケーナ奏者山下Topo洋平君にゲスト参加してもらう事になりました。打楽器奏者のSYNCROOM人口も増えてきてドラマーさんとかを呼ぶこともできたのですが,そこを敢えてフロントマンを呼ぶところが我ながら憎い(笑)。

 今回は3人で曲を持ち寄る事になっているのですが,何と私,このスペシャルライブのためにここ2日ほどで1曲アレンジ書き下ろしました。eBASS塾の教材作りも一段落し,あまりにもライブが無くて暇すぎたからこそ傾けられた情熱をぜひ皆様に聴いていただきたいと思います。

 配信はR-LIVE.Net,チケットご購入はこちらからどうぞ!

 


お知らせ(9/1・箭島裕治BOOT FUNKライブに関して)

 9/1(水)に予定されていました箭島裕治BOOT FUNK!のライブ(@日吉ワンダーウォールヨコハマ)ですが,昨今のCOVID-19感染拡大状況を鑑み,会場と協議の上【延期】とさせていただくことを決定いたしました。ご予約いただいていた皆様,ご来場・ご視聴を予定してくださっていた皆様には大変申し訳なく思っております。

 今年4/9に同会場で行われた,緊急事態宣言下でのライブは無観客とすることで感染リスクを下げ,配信のみのライブとさせて頂きました。今回も宣言下であることには変わりありませんが,しかしながら現在神奈川県の新規感染者数は4月の10倍以上,他の数字もそれに準ずる比率で推移しており,殊に病床使用率は85%台とまさに災害レベルの数値となっています。この様な状況下で公共交通機関を利用してお客様やバンドメンバーに会場へ来てもらうことは,決して軽視できないリスクだと判断いたしました。

 延期先のスケジュールはおそらく11月ごろになると思われますが,決まり次第改めてアナウンスいたします。どうかご理解いただきたくお願い申し上げる次第です。

 


YYOQはタダでは観られませんが,ただのセッションにもしません

 フェスのことはちょっと置いといて,まずは今月のリーダーライブの情報を。

 このような遠隔同時演奏のスタイルでライブをやる固定バンドとしてはもう老舗の域に入りつつある「箭島裕治オンライン・クィンテット」,久々の配信です。早いもので,次で9回目を迎えます。

 このバンドのメンバーは一人一人が私にとって,この活動をやる上で特別なミュージシャンたちばかりです。佐久間さんは「NETDUETTOって知ってる?」の一言で,他ならぬ「遠隔同時演奏」という技術が存在するのだということを私に教えてくれた張本人。海沼さんは橋本さんというスーパーエンジニアを私に紹介してくださったその人。Topo君は私が年末のトークライブで相方に選んだことからも判る通り,今やプレイヤー仲間の中では「ライブ配信」という手段をエンタメとして完成させることにかけて右に出る者のいない一人。そして,「こういう配信が音質・画質ともに有料コンテンツたるレベルにまでクォリティアップしたらなぁ」という私の夢を実現して下さった,もはやこの界隈で唯一無二と言える存在のPAエンジニア・橋本さん。

 そんな特別なバンドでなぜ先日のフェスに参加しなかったのかは,フェス翌日に配信した感想戦でお話ししましたのでもうここには書きませんが,ともかくこのインストバンドはコロナ禍最初期,プロミュージシャンの遠隔人口(?)がまだ圧倒的に少なかった頃に「え,こんなメンバー揃うなんて奇跡」と思えるほど凄いプレイヤーに恵まれて始めた記念碑的なバンドであることは間違いありません。ここまで「毎回テーマを一つ決めて選曲する」と決めてやってきましたが,どうにもネタが尽きた時に使おうと思っていた「ジャズ・スタンダード」というカードをを9回目で早くも使い切ってしまうとは…(笑)。

 そんなわけでvol.10以降の私の采配が大変危ぶまれますが,ともかく今回は私や佐久間女史がアレンジしたジャズ・スタンダード・ナンバーをたっぷりとお聴きいただく予定です。配信はR-LIVE.Netとツイキャスの2元配信となります。チケットのお求めはR-LIVEならこちら,ツイキャスはこちらです! いずれもご購入いただいたサイトでライブをご視聴ください。


前回配信の模様

 

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 SYNCROOMを使った遠隔同時演奏を実現する強豪バンドが8組も揃い演奏を繰り広げたR-LIVE Festival vol.1,たくさんの方々にご視聴いただき無事終えることができました。ご出演くださったバンド及びメンバーの皆様,ご視聴くださった皆様,投げ銭にご協力いただいた皆様,そして前日のランスルーから当日の終演まで,極めて複雑な業務をやり遂げて下さったエンジニアチームの皆様,本当にありがとうございました。

 思えば私個人が初めてNETDUETTOでAmaKhaのライブを自力配信したのが昨年の5/10,それを「試運転」と数えても橋本さんにPAと配信をお願いし初めて「これ,ちゃんとした『ライブ』って言っていいんじゃない?」というクォリティで配信できたのがその翌月の6/13。そこから14〜15ヶ月ほどで,まさかフェスができるところまでこの取り組みが発展するとは! もちろんこの発展の一番の功労者は日夜この方法による音楽配信の品質向上を追求してきたエンジニア橋本敏邦さんに他なりませんが,NETDUETTOからSYNCROOMに代替わりして随分自然に演奏できるようになり,私たちの界隈以外でも多くのミュージシャンがこの方法による配信ライブにチャレンジし,高度なワンマン配信を成功させてきたことを知った今では,そうした遍在する多くのプレイヤーたちの努力こそが今回のフェスの成功に繋がったのだと強く感じています。
 その意味で今回,私がSYNCROOM上でメンバーさん達と直接共演歴のなかった(or少なかった)熊谷望RemoteSessionさん・Numaco Trioさん・横浜鹿児島connectionさんにご出演いただけたことはこの上ない僥倖でした。来年あたりvol.2を開催する折にはさらに人脈を広げ,遠距離リモートもより多く取り入れ,SYNCROOMの可能性をもう一歩活かした企画ができないかと思っています。またその先,vol.3, 4…とコンスタンスに続けていけるために,早い段階で有料化させていただくことになると思います。

 あらためて様々なログを調べてみたら今回のフェス,最初に橋本さんと周辺ミュージシャンに声をかけたのが今年5月の初め頃だったようです。わずか3ヶ月の準備期間で開催できる音楽フェスなんて他にないと思うのですが,かと言ってこれを半年に一度ペースでやろうとすると私,生活の半分をこのフェスに取られてしまうことになってしまうので(笑),まぁやっぱり妥当なのは年1ペースだろうな…と考えています。フェスはやっぱり夏だよね,夏。

 


紹介済みと思ったら紹介していなかった

 8/9(月祝),遠隔同時演奏アプリ「SYNCROOM」を使いこなすバンド8組が一つの配信サイトに(ヴァーチャルに)集い,35分ずつの演奏をそれぞれ繰り広げるというヴァーチャル音楽フェス「R-LIVE Festival」が初めて開催されます。バンドも視聴者も全員自宅。バンドも1か所に集まっているのではなく,メンバー一人一人が各自在宅(一部例外を除く)。視聴者の皆さんは自室にライブを観る端末をただずっと置いておくだけで,8つのバンドが入れ替わり立ち替わり演奏するのを好きな食べ物や飲み物などを楽しみながらご覧いただくことができます。

 これだけですと「いつも遠隔ライブをやっている幾つかのバンドが同じ日に連続して演奏するだけ」とも言えますが,今回はなんとフェスの最後に「遠隔ジャムセッション」なるものを企画しています。延べ参加人数26名のプレイヤーのうち,参加できる19名が1カ所のZoomに集まり,定員4人(本来は5人ですが,エンジニアさんが一人常に入っていなければならないため4人)のSYNCROOMに交代で入退室し,一つの曲をリレー演奏していくという企画です。これは本当に企画と言うよりももう私の妄想みたいなところから始まった話なのですが,ダメ元でエンジニア橋本さんと具体的なセッティングや手順をシミュレーションし,曲をピックアップしてプレイヤーさん達にそれらを説明し,わざわざそれ用のリハーサル日を設けて先日試してみたらなんと殊の外巧く行ってしまいまして。これね,私らが凄いというよりは面倒な手順を各バンマスさん達がメンバーさん達に判りやすく連絡してくれたからだと思うんです(私は原則,バンマスさん達としか連絡を取り合っていないので)。妄想から始まった私の無茶な計画を本当に具現化するところまで持ってきてくれた橋本さんとプレイヤー各位のご協力には本当に頭が下がる思いです。

 …ここまで期待させておいて当日失敗したら大爆笑ですが(笑),もしそうなったらそれはそれでホントに笑っていただければと思います(私たちも多分,平気で1からやり直すと思います)。数年後,ネットインフラやアプリの機能が向上すればこのようなことも訳なくできてしまうようになると想像できますが,今この時点で「これは多少チャレンジングだな」と思えるような対象に敢えて挑む事に私は大きな意味があると思っています。そもそも,ミュージシャン全体に対する比で言うと現在でも決して多いとは言えないSYNCROOM人口ですが,にも拘らずこれだけのプレイヤーが集まったこと自体にフェスを企画した意味がまずあると思いますし,そんな猛者が集まれたからこそこのような無茶なセッションも実現できそうなところまで来れたのだと思います。今後このまま猖獗が拡大していくのか,終息まで間もないのか相変わらず見当もつきませんが,今はとにかく「出来ない」となんでも決めてしまわず,「出来そうだ」と思えることに怯まず挑み続けていきたいと思っています。

 今回のフェス,ご視聴は無料ですがR-LIVE.Netへの会員登録(無料)と¥0チケットのご購入が事前に必要です。その他チャットや投げ銭の方法なども動画にまとめておきましたので,よろしければご覧ください!

 

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 ちなみに今月は4ヶ月ぶりのYYOQの配信もあります。このバンドこそはNETDUETTO / SYNCROOMを成功させるために組んだバンドであり,まさに遠隔演奏の象徴とも言えるバンドですが,メンバーが重複しすぎるのを避けるため,敢えてフェスにはエントリーしませんでした。その分,この独立した配信でたっぷり楽しんでいただければと思います。

 サムネイルは近鉄特急のイメージです(笑)。

 その他,多くはありませんがいくつかのライブがあります。これらは配信付きですがリアルライブでもありますので,現在の感染状況を考えると開催は流動的かもしれません。また改めてご案内いたしますが,現時点での詳細はスケジュールのページでご確認ください!