wpmaster のすべての投稿

お知らせ

 実は当初、7月5日に激レア・スパニッシュ・コネクション(吉見征樹tablaさん・平松加奈vlnさん・服部恵percさん・私bs)でゲリラ配信ライブを敢行する予定だったのですが、スパニッシュ・コネクションのリーダー伊藤芳輝gtさんの訃報を受け、このライブをゲリラではなく事前にお知らせする形での追悼ライブとする運びとなりました。

 私たちもまだ訃報を受け入れる余裕があるとは言えない状態で、当初「やれるだろうか」「もしやれそうならやろう」という感じではあったのですが、「もしやれるとしたらどういう形にしよう」「もしやるならop動画はどうしよう」とか話し合っているうちに、いつしか自然とやる流れになっていきました。まだ伊藤さんのファンの皆様も到底悲しみが癒えぬ中ではあろうかと思いますが、7/5は4人揃う貴重な機会であり、これ以降はだいぶ先になってしまう可能性もありますので、どうか伊藤さんが天に帰るこの日に伊藤さんの曲で伊藤さんをお送りする機会を設ける事をご理解いただきたく思います。なお、この配信での演奏者への収益は全て伊藤さんのご家族にお送りする事になっています。

 配信の詳細はScheduleのページに記載いたしましたのでそちらからツイキャスのチケット購入ページにアクセスして下さい。配信は7月5日(月)18時30分からですが、アーカイブが1週間残りますのでお時間のある折にご覧いただければと思います。伊藤さんに対する様々な想いを皆さんと共有できたら、と思っています。

 


飄々と

 全国にファンを持つ稀有なインストバンド,スパニッシュ・コネクション(以下スパコネ)のリーダーでありギタリストである伊藤芳輝さんが亡くなられました。
 私は2016年に芳輝さんソロ名義のライブにお誘いいただいたのが初共演で,以降芳輝さんのトリオメンバー/スパコネのサポートメンバーとしてこの5年間全国各地でライブをご一緒させていただきました。

 初めてのライブにどのように誘われたのか,またその時の印象,以後どれだけ楽しい想いをさせていただいたか,私から見た芳輝さんという人物やスパコネというバンド像などは,今まで折に触れあちこちでお話ししてきた事ですのでここで改めて思い出話をするには及ばないと思います。
 ただ私の中で数年前から,芳輝さんのことで澱(おり)のように心の底にわずかに溜まり続けていた感情があります。澱といってもそれは嫌な汚れのようなものではなく,旨い濁酒のそれのような甘美な澱です。

 数年前,別のお仕事のトラブルで私が間接的に芳輝さんにご迷惑をかけてしまったことがあり,朝起きたら芳輝さんから「何かあったのですか?」という趣旨のメールが届いていました。返信で事情を説明しお詫びをしたところ,程なくして芳輝さんから再びお返事をいただき,そこには問題ないという旨と,それに続いていくつかの言葉が書かれていました。それは言わば私信でありここで詳らかにすることはできませんが,甘美な澱とはその時にかけてもらった言葉によって生まれた感情であろうと思います。それは「自分はこの人に一生ついていく」とか「この借りは必ず返さないと」といった肩肘を張ったものではなく,「なんだか判らないけれど,この人をずっと見ていた方が自分のためになるだろう」という漠然とした感情でした。

 20年間一緒に苦楽を共にしてきたであろうバンドメンバーの吉見征樹さん・平松加奈さんの喪失感や,私よりずっと長い間スパコネの音楽を愛し続けてきたファンの皆様の悲しみを私の感情と同列に語ることはできず,SNSにこれを直接書くことは憚られましたが,ミュージシャンは何があろうと音楽でお客さんに満ち足りていただくのが仕事であり,自分が明日から前を向いて進むため,まさに自分のためにここにその思い出をひとつ書き残しておこうと思い立った次第です。

 私にとっては甘美な澱を熟成させていた自分という樽の底の栓を,突然抜かれてしまったような芳輝さんの訃報でした。たとえ栓を抜かれても澱は全てが流されていくようなことはなく,今は樽の底に残った澱が放つ芳香の甘美さにただうろたえるしかありません。演奏や作曲によって生きた証を残していくのはミュージシャンの本望だと思うのですが,こんなふうに足跡を遺していくことができる人が,いったい何人いるというのでしょう。

 長い時間をかけて,澱の成分が樽材の繊維の中に染み込んでいってくれないだろうか。そんな受動的な気持ちでいます。



 ↑深夜出港のさんふらわあ号に乗船した瞬間に酒盛りを始めるスパコネのメンバー。左から平松加奈 (vln.) さん,伊藤芳輝 (gt.) さん,吉見征樹 (tabla) さん。バンド結成から19年目となる2019年。

 


馬車馬化を「懐かしい」と思える日が来るとは

 思えばこのサイトも今年の9月9日で20周年を迎えます。サイトを立ち上げた頃は確かヤマハの講師試験に受かったばかりの頃で,演奏活動といえばちょうど始まったばかりの「ピアノトリオ宴」以外は本当に数えるほどしかなかった頃だったと思います。それ以降本当に遅々としてはいましたが活動の場が少しずつ増えるにつれ「あー忙しい忙しい」と泣き言を言うだけの体で2019年までこのサイトをやってきましたが,2020年初頭から始まったコロナ禍によって今度は泣き言が「あー暇だ暇だ」という内容に180度置き換わり,実際には忙しかったこともあるにはあったのですがそれって大抵なんかの助成の申請をしているとか要綱を読んでいるとかそんなんばっかで,以前のように演奏で忙しかったことがどんなに有難いことだったのかということを身に染みて理解させられた1年でもありました。それは強ち仕事量の話だけではなく,「毎日のように仲間と演奏している」状態が自分のメンタル面に如何に好ましい作用を齎していたか…という事なんです。遠隔セッションのようなヴァーチャルなライブが,その意味で生のライブと同じ役割を100%果たせているかどうかは判りませんが,逆に遠隔セッションをやっていなければ今頃自分も相当参っていただろうな…とは容易に想像することができます。

 えーそんな中,この6月後半だけは有難いことに,マジで以前のように純粋に(?)超忙しいです。これが7月になると一気にヒマになってしまうんですが(笑),せっかくなのでこの久々かつ束の間の忙しさをせいぜい楽しもうと思っております。どんなライブが入っているのかは前回のエントリーで列挙していますので,その中のリーダーライブだけをピックアップしてご紹介。

 ●6/20(日)AmaKha Broadcasting! vol.7

 パーカッショニスト服部恵女史をお迎えするゲスト回。女史と知り合ったのは2013年の春だったのですがそれ以来しばらくの間はそれほど共演機会も多くなく,逆に2016年以降は伊藤芳輝 (gt.) さん関連のサポートで全国各地でしょっちゅう共演する間柄になりました。とはいえお互いあまりそれぞれの音楽的ルーツなどについて話をしたことはないので,今回はAmaKhaの曲をがっつり演奏してもらいつつ女史のここまでの音楽人生や演奏家としてのポリシーなどについて語っていただこうと思っております。女史に1曲だけお願いした選曲は超意外な1曲です! 一体どんな曲が飛び出すか,請うご期待。ご視聴方法はこちらから!

 ●6/23(水)箭島裕治BOOT FUNK! vol.47@日吉WonderWall-Yokohama

 今回ご紹介する4つのライブのうち,唯一ライブハウスで行われるライブです。2ndのみ配信があります。
 これを書いている時点ではまだ正式な発表がないのですが,もし神奈川県のまん延防止措置が延長された場合は申し訳ありませんが1stはご来場のみ,2ndは逆に配信のみ(無観客)での演奏とさせていただきます(ご来場のミュージックチャージは¥1,000お安くなります)。1stはあのフュージョンバンドのカヴァーを多めに取り上げ,ちょっと特集っぽくしてみたいと思っています。あと,最近Live Under the Skyの映像とか見てて無性にやりたくなった曲があるのでそんなのも取り上げようかと(多分その曲だけ4弦ベース弾きます)。2ndは多分オリジナル&オリジナルアレンジ攻勢です。
 ご来場のご予約はこちらから,配信チケットのご購入はこちら(間もなく情報掲載されるかと)からどうぞ!


前回4月のライブの模様(ダイジェスト)

 ●6/27(日)箭島裕治New Trio “The 2nd Live!”@R-LIVE.Net

 先月発足した箭島の新規プロジェクトで,奥山勝 (kb.) さん/服部恵 (perc.) さん/私 (bs.) からなるピアノトリオ「箭島裕治New Trio」の第2回目のライブ。誰かもっとひねりのあるバンド名を考えてください(笑)。
 第1回目のライブでは,ひねりのないバンド名とは裏腹にメンバー3人のひねりの利きまくったオリジナル曲を中心に演奏をお届けし,えらいこと好評を博しました。今回は選曲を基本的にリーダーたる私が担当し,とあるコンセプトを意識したライブに仕立てようと画策しております。まだまだ遠隔演奏にチャレンジするミュージシャンが多くない中,これほどの凄腕ミュージシャンたちがバンドに参画してくださることに感謝しながら演奏したいです。いずれはゲスト回なども設けたいなと妄想しております。
 遠隔ミキシングはこの分野で右に出る者はいない第一人者,橋本敏邦さんが担当してくださいます。配信チケットのご購入及びご視聴はR-LIVE.Netへどうぞ!


前回の1stライブの宣伝用トレイラー。今回用のも作らなきゃ

 ●6/29(火)AmaKha Broadcasting! vol.8

 ABCを企画した当初「月に配信が1回じゃお得感がイマイチだからさー,おまけで2人だけの配信も1回付けようよ」「それ,誰か観てくれる人いるの(笑)」などといういい加減さで設けられたABC・AmaKhaオンリー回ですが,現在のところ私が企画するあらゆるライブの中でこの「ABCオマケ回」に一番手間暇がかかっています(笑)。結局のところ三科も私もやり始めたらとことんこだわり抜くタイプなので,「季節に合った曲をやろう」「ならせっかくだからオリジナルのアレンジをしよう」「アレンジするならvoとbsだけでも成立するアレンジにしよう」「成立しそうになければルーパーやハーモナイザーなど何でも使ってしまおう」と話が大きくなり,結局準備と機材設営が尋常でない規模になってしまう…というのがお決まりのパターンになってきました。それだけに音楽的な内容としては相当充実した内容になっていると自負しているのですが,どのアレンジも1回やったら終了なので個人的な感覚としてはコスパの悪さが半端ないです(笑)。いずれこのオマケ回だけをダイジェストにまとめて,ここまでの私たちの努力を多少なりとも多くの方々に知ってもらいたいな…とは思っているのですが。
 ま,ともかく「オマケ回は必見」という形容矛盾で今日の更新を終えたいと思います(笑)。ご視聴方法は例によってこちらから!

 

 


いろいろ新企画考えています

 5月前半は僅かに配信が3件あるのみだったのですが,下旬から6月いっぱいまでは内外(自宅かお店か,っていう意味ですが 笑)でのライブが色々と入っています。依然として大っぴらにお出かけするのが若干憚られる状況ではありますが,ほとんどがご自宅でもお楽しみいただけるライブばかりですのでご無理なさらず家のTVなどに大画面で配信をミラーリングしてお楽しみいただければと思います。もちろんライブハウスの方も混んではいませんので,体調に問題のない方で時間が早くてもお酒なくても大丈夫…と仰る心の広い皆様におかれましてはご無理のない範囲でご来場いただければと思います。

 ●リーダープロジェクトとしてはまず5/29(土),箭島裕治New Trioとして奥山勝 (kb.) さん・服部恵 (perc.) さんとの新たな遠隔トリオプロジェクトを立ち上げ「The 1st Live」を配信します。「最初のライブだけは確実にたくさんの方々に見て頂こう」ということになり,この1stライブに限って無料+投げ銭の形を取らせていただきました。

 配信は遠隔同時演奏ライブに特化した新しいライブ動画配信サイト「R-LIVE.Net」で行われます。今回は無料ですので5/29の16:30にサイトを訪問していただければこのライブを観られますが、チャットや投げ銭をご利用の際には無料の会員登録が必要ですので,事前に画面右上のアイコンから「新規登録」をお選びいただき会員登録を済ませておかれることをお勧めいたします。投げ銭へのご協力をいただけますと大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

 遠隔セッションに参画しているミュージシャンの輪の中にパーカッション・ヴィブラフォーン界の実力者服部恵女史が参入する事で,この界隈が一段と盛り上がりを見せることは想像に難くありません。どうぞ皆様,この記念すべきライブをお見逃しなきようお知らせする次第です!

 

 †

 その他,6月末までのスケジュールは下記の通りです。★印は箭島リーダープロジェクト。詳細は「Schedule」のページをご覧ください!

 ・5/23(日)【生配信あり】平松加奈 (vln.) さん@銀座Swing
 ★5/29(土)【生配信】箭島裕治New Trio@R-LIVE.Net
 ★5/30(日)【生配信】AmaKha Broadcasting! vol.6
 17:30開演。ご視聴は月額1,000円のサブスクリプション(購読)制です。お申し込みはこちらから!→ https://bit.ly/3d0d2KF
 ・6/5(土)Nova Sentimental@吉祥寺サムタイム(昼の部)
 ・6/12(土)【生配信あり】Power Horns 1st Live!@渋谷JZ Brat
 ・6/13(日)【生配信】堤智恵子4@YouTube
 ・6/18(金)激レア・スパニッシュ・コネクション@山武市成東文化会館 のぎくプラザ(ホール)
 ★6/20(日)【生配信】AmaKha Broadcasting! vol.7 https://bit.ly/3d0d2KF
 ★6/23(水)【生配信あり】箭島裕治BOOT FUNK!@日吉ワンダーウォール横浜
 ・6/25(金)【生配信あり】堤智恵子@銀座Swing
 ・6/26(土)激レア・スパニッシュ・コネクション@平塚サンタナ
 ★6/27(日)【生配信】箭島裕治New Trio@R-LIVE.Net
 ★6/29(火)【生配信】AmaKha Broadcasting! vol.8 https://bit.ly/3d0d2KF
 ・6/30(水)【生配信あり】Project QuO@中目黒・楽屋

 

 †

 先日のAmaKha Broadcasting! vol.5はケーナ奏者・山下Topo洋平君をゲストに迎え,90分に及んでたっぷりと演奏とトークをお楽しみいただきました。遠隔セッションにチャレンジして以降彼とは本当にたくさんのライブで共演してきましたが、ここまで彼の演奏はもちろんトーク能力の高さにも毎回驚かされてきた1年でした。昨年末のトークライブの相方に彼を誘ったのもそのトーク能力を買ってのことだったのですが、今回も彼は配信を使った新しいチャレンジやケーナを始めたきっかけ,自分の音楽に対しての想いなどを生き生きと語ってくれました。上掲のダイジェストに収められたのは演奏も含めそれらのたった1/9に過ぎませんので,是非内容のたっぷり詰まったフル尺の動画をお楽しみいただければと思います。フル尺ご視聴の方法はこちらのページをご覧ください!

 


以前から設置しようと思っていたのですが

 箭島裕治オンライン・クィンテットvol.8,ご視聴ありがとうございました! アーカイブは5/11まで2週間ご視聴可能です。他の配信は大抵アーカイブ期間が1週間なので,我ながら結構な大サービスだと思います(笑)。チケットご購入とご視聴はR-LIVE.Netならこちら,ツイキャスならこちらからどうぞ(それぞれ,チケットを購入したサイトでのみ視聴できます)!


ダイジェスト版はこちら

 さらに先日5/3(火),激レア・スバニッシュ・コネクションで抜き打ちのゲリラ配信第3弾を行いました。こちらは箭島が自力配信しており橋本さんのような配信クォリティは担保できませんでしたので一応無料でも観られるようになっておりますが,お楽しみいただけましたら是非投げ銭にご協力いただければと思っております。【投げ銭お振込先:三菱UFJ銀行 池袋支店 普通 5296824  オフィス バトゥカーダ】

 今月近いところでは5/8 (Sat.) に堤智恵子 (sax.) 女史の生配信,そして5/15 (Sat.) にはAmaKha Broadcasting! vol.5の配信があります! 堤女史の配信は下記YouTubeにて,そしてAmaKhaの方は月額1,000円のサブスク制ですのでこちらのページをご覧いただいた上でご登録ください。今月のゲストはケーナ奏者の山下Topo洋平君です!

 現状このようにライブは配信がほとんどを占め,アーカイブ期間もまちまちで字面で全てを把握していただくのは大変だと思われますので,Scheduleのページにアーカイブ早見表を設けました! 箭島が出演した配信のアーカイブ期間をGoogleカレンダーで一望(?)できるようになっています。是非ご利用ください!